川越線川越駅 14:20
その日の記憶というのはいつまで残るのだろう。
二、三年は覚えていられるだろう。五年後では、十年後ではどうなるだろう。
忘れたといってどうなるものでもないけれど、記憶に残って入ればいつか思い出して楽しめるときがあるだろうか。
お宮参りの赤ちゃんはそれまで寝ていたのだが、祈祷が済んでいざ写真を撮ろうとしたらぐずり始めてしまう。
お腹が空くタイミングであるようだ。
ミルクあげてくださいと撮影を中断して、参拝客と観光客で溢れる境内を横切って祈祷控室に戻る。
赤ちゃんの世話はいつだってたいへんなものだが、初めての子となればどの親も育児キャパに余裕はない。
慣れない場所で哺乳瓶にお湯を入れてミルクを作って飲ませるとようやく赤ちゃんは落ち着く。
ちょうど次の祈祷が始まったばかりで、薄暗い控室にはもうひと組の家族しかいなかった。
ママが所在なげに立っていたので、ベンチで赤ちゃんを抱っこしてミルクを飲ませるパパの隣に据わってもらう。
赤ちゃんを見てください。ママの左手を赤ちゃんに添えてください。
そうやってわざと作る「自然な」写真は思い出になりうるのだろうか。
わからないけど、そうなるといいなあと思って撮る。
何が思い出になるかなんて今はわからないものだ。
答えが出るのは何年後だろう。
そのときまでのお楽しみ。
東武鉄道東上線川越駅 9:20 本日の撮影に。
穏やかな春の陽射しでお参り日和。お宮参り家族連れが多い。鳥居の前で入れ替わり立ち替わり写真を撮っている。見てるとやはり父方の祖母が赤ちゃん抱っこしてるケースが多い。ママが抱っこできず写真も撮れずという愚痴がSNSによく流れてくるわけだ。
埼玉県川越市城下町 12:27 一ヶ月赤ちゃんのお宮参り。祈祷が済んで記念写真を撮ろうとしたらぐずりだし、ミルクあげておむつを換えて、パパとママは落ち着かない。僕としてはよくあることだからのんびり待っているけど、初めての子どもはなにかとたいへんだ。
東海道本線根府川〜真鶴 17:31
問合せのメールに返信していたら、根府川の海を見逃してしまった。