京成電鉄本線大神宮下駅 15:12
参道の銀杏の木の枝に残った葉は少ない。
石畳に散らばった落ち葉を氏子さんが竹箒で丁寧に掃き集めていた。
絶好の小春日和だが、平日とあってか屋台の出店も閉じられて、七五三で参拝する家族もさほど多くはない。不思議と五歳の男の子の姿ばかりが目立つ。
母子だけで鳥取から船橋に里帰りしての七五三である。
三歳の男の子は足袋と草履を嫌がって履かぬらしい。
撮影始めからひとしきり遊んだところで、足袋を履かせることに成功。
さらに草履をと思ったら、ひっくり返って泣くので、足袋の上から靴を履かせる。足袋を履くかどうかでだいぶ違う。
ご祈祷が終わったら千歳飴を手にして記念写真を撮る。
ここで草履の出番。履かせようとしたら案の定嫌がって泣いたが、気を逸らしつつ履かせてそのまま写真を撮って、なんとかうまくいった。
男の子が三歳だったからでもあるだろう。数え三歳だと難しかったかもしれない。
子どもが機嫌を損ねたとき、パパやママはよく「しょうがないんで、(撮れなかったら)いいですよ」と言ってくださるのだが、やっぱりきちんとした七五三の姿を写真に残したいだろう。
撮れないよりは、撮れたほうがいいに決まっている。
参拝にはママのお祖母様、子どもにとってのひいおばあちゃんも来ていた。今年米寿であるそうだ。
境内の銀杏の木を見上げては「これは雄、これは雌」と独り言のように言う。
もしかするとママが子どものとき、ママの母上が子供のときにも今日と同じように、この神社を訪ねたのかもしれない。(聞けばよかった)
彼女は穏やかな表情で、僕と遊ぶひ孫を眺めておられる。
多く歳を重ねるとそうなるのか。昔を懐かしんでいるうちはまだ若い証拠なのかもしれない。