三原由宇出張写真室

2018年2月28日水曜日

尾道 18:05



 
 
 
ようやく確定申告の準備を始める。
経費の計上はクレジットカードの明細書を頼りに毎月やっているから、現金支払い分の領収書をまとめるのはさほどたいへんな作業ではない。帳簿のようなものをエクセルで自作していてそれに入力してゆく。会社員時代にパソコンが普及してくれてよかったと思う。
  
パソコンが普及する前に会社を辞めたミチコさんは、ノートを広げてひたすら電卓を叩いている。たまに打ち間違えて嘆息を漏らす。エクセルと言わず、なにか計算ソフトでも使えばいいのにと毎年憐れみの目で見ているのだが、本人は覚える気はなさそうだ。もっとも将来はエクセルも使われなくなって、僕も時代遅れの老人になる可能性は大いにある。
 
明日から低気圧が日本を通過して大荒れになるらしい。明後日は北海道へ飛ぶので飛行機の運航状況が気になる。
 

2018年2月27日火曜日

広島県尾道市向東 12:05




 
 
 
珈琲豆ましろさんの商品撮影。オープン前にサイト用の写真を撮ったが、今回はギフト用の商品が増えた。
撮影中にも豆を買い求める人が何組か来店される。店内ではコーヒーの焙煎体験もできるようになるとか。オリジナルパッケージのコーヒーバッグを作って結婚式のギフトにもできるそう。がんばっているなあと思う。

珈琲豆ましろ
https://coffeebeans-mashiro.com

 
撮影終えて機材を片付けていると、店主から「三原さんにとって写真の良さって何ですか」という質問を受ける。
考えるまでもなく答えは決まっていて、写真の良さはシャッターボタンを押せば写ることである。時間をかけなくてもいい。誰にでもできる。そう言うと彼は拍子抜けしたような表情を見せた。
 
もしかしたら「人を幸せにする」とか「思い出を残す」とかかっこいい答えを期待されていたのかもしれない。しかし僕にとってはそれらは二次的なことであって、写真の良さは誰でも簡単に撮れて、なおかつその場で見て楽しめることである。
  
ましろさんのお店サイトのトップページには立派な理念が掲げられている。僕にはそういうものがまるでない。ただふらふらどこかへ行って写真を撮るだけだ。何しろ写真は誰にでも簡単に撮れるのである。僕の果たす役割なぞたかがしれている。願いがあるとするなら、誰もが健康で幸せに過ごしてもらうことだけど、それって写真とはあまり関係ないよね?
 
今日は家に帰って仕事するのがもったいないような青空である。どこかに出かけたい気分になるが画像処理やら発送作業があるし、そろそろ確定申告の準備もしなければならぬ。暖かい日の夕暮れ、ベランダにぺたりと座って空を眺めながら酒を飲むのが僕の幸せ。
  
 

2018年2月26日月曜日

尾道 16:19


 
 
 
午前中に商品撮影を頼まれていたのに、すっかり忘れてしまっていた。
家にいるときは携帯の電源を切っているときが多くて、電話に出なかったのもよくなかった。画像処理をしている最中にメールをいただいてようやく気がつく。たいへん申し訳ないことであった。
 
今までにもスケジュールを忘れて撮影をすっぽかしたことが何度かある。スケジュール表にはちゃんと予定を書いているのに「撮影がない」という思い込みがよくない。思い込みというのは自分の意識の問題であって、とても厄介である。意識の繋がっていない第三者がチェックすればいくらか防げるだろうが、それがないと誤りを正す術がない。人間だからミスはあると思いこそすれ「やってしもうた」と若干落ち込む。
約束していた撮影は明日にしていただいた。ありがたいことである。
 

2018年2月25日日曜日

南海電鉄高野線帝塚山駅 11:27



  
 
 
 
一歳女の子の家族写真。
あまり馴れてくれなかったが、笑顔の写真もいくつか撮れてよかった。

初めて撮影に伺う家族は、たいていが親が緊張している。撮影が始まると、とりあえず笑わせなければと必死に子どもと遊ぼうとするが、、普段と違う親の様子に子どもは戸惑うばかりである。そのうちいっこうに笑わない子どもに親が疲れて、撮影への関心が薄まると子どもがリラックスしてくれる。どの家族でもだいたいそういう感じになっている。
  
撮影終えて駅へ。高級住宅地として知られる帝塚山には新旧の邸宅が建ち並ぶ。古い屋敷の高い塀の上には先の尖った金具が隙間なく並べられ侵入者を寄せつけまいと無言の威嚇をしている。真新しい家の塀には物理的な道具はないが、そのかわり警備会社のステッカーがよく見える位置に貼られている。どの家も守るものがそれだけ多いのであろう。なんとなくよそよそしさを感じながら歩く。
 
 






2018年2月24日土曜日

京都市交通局9号系統四条堀川 14:51



  
 
 
 
前撮りの撮影。
暖かい日で何よりであった。新婦さんによって念入りに組まれた香盤通りに撮影する。きっと楽しみにしていたんだろうなと想像できる。結婚式の準備もたいへんそうだが、それらも楽しんでやっているようで微笑ましい。なにしろ一生の一度のイベントである。6月の結婚式も佳き一日になってほしいと思う。高校の同級生だったという二人は気心の知れたカップルのようで仲が良い。
 
久しぶりに祇園で撮ったが想像していたよりも人が少なかった。オフシーズンだからだろうか。一時期撮影する人が集まりすぎて問題になったようだが沈静化したのだろうか。日本人よりも外国人旅行者が着物を着て撮影する光景がよく見られた。

尾道でも外国人旅行者が増えてきたから着物レンタルのお店があってもよさそうだと思うが、石段ばかりの坂の町を着物で歩き回るのは体力的にたいへんだから誰もやらないだろうな。
 
 




山陽本線尾道駅 7:03



 
 
  
京都へ。
土曜日朝の電車は通学の高校生がいなくてがら空き。それでも平日と同じ7両編成でやってくる。(昼間は3〜4両)
東京や大阪といった大都市圏だと休日ダイヤがあるが、岡山地区のJRにはそれがない。スジ屋さんが面倒がって作らなかったのかどうなのか。しかしいずれは効率化の名のもとに休日の減便や減車が行われるだろう。
 
先ごろ岡山の大手バス会社が大規模な路線廃止を検討しているとのニュースが流れた。自治体からの補助金が出ている路線もあるが大半は赤字である。廃止対象路線のある自治体は反発するが、バス会社は民間企業であり採算の取れない事業を続ける理由はどこにもない。そこに「公共」交通機関を「私」企業に任せてしまった問題が露呈する。今後人口も減り、景気がよくなる見込みはほとんどないから、民間企業により公共交通が縮小されてゆく傾向は変わらないだろう。
 
かつてJRに民営化される前の国鉄は赤字路線を維持するのに税金が使われているという批判を受けていた。その見解は正しかったかもしれぬが、それから30数年が経ち、JR北海道は道内のほとんどを廃止対象路線とし、JR九州は大幅減便するダイヤ改正を行う。地方自治体は再び税金でもって公共交通機関を維持しなければならなくなるという課題に直面している。
 

2018年2月23日金曜日

尾道 17:14



 
 
 
発送作業を進める。
 
ときどき自分の死に際について考えることがある。
誰しもそこに向かって生きているわけで、こういうふうに死にたいという希望を持つのは当然であろう。
しかし希望はあっても、努力すれば叶うものでもない。
 
先日有名な俳優が仕事先で急逝した。あまりにも突然で、彼自身もそのときまで自分が死ぬとは思ってもいなかったろう。
僕もあちこち出かけながら仕事しているから、自宅ではないどこかで客死する可能性は十分にある。まして僕には他にスタッフもおらぬから、仮にどこかのホテルで突然死してしまうと、翌日の撮影を待っているお客さんにとっては無断のドタキャンになり迷惑をかけてしまうことになる。それだけは避けたいと思うが解決策を思いつかない。まあ、死んでしまったら仕方がないのであるが…

ちなみにホームページには「万一不慮の事態が発生し撮影できなくなった場合、代替のカメラマンはご用意できません」という断りの文章を載せているけど、「不慮の事態」とはそういうことも含んでいるのです。
 

2018年2月22日木曜日

尾道 17:48


 
 
 
この写真はうちの近くの空き家の庭先で撮っている。
二軒長屋なのだが、相当なあばら家で窓はすべて外されかろうじて屋根と柱と梁だけが残っているような家である。

いつものように石段を上がってその空き家を目指すと、なぜか複数の人影が見える。一人はフォトグラファーらしくキヤノンのカメラをマンフロットの上に乗せて家の中を撮っている。レンズの先には現代アートのような絵画があって、傍に作者なのだろうか一人の女性を囲むようにして男が数人でなにやら話しているのが見えた。
 
なにかの取材なのかそれとも展示会でもするのか。いつもの位置から尾道の町の写真を撮ると、僕は彼らと挨拶も交わさずすぐにその場を離れたが、彼らはこの空き家でなにをしているのか気になる。ちゃんと聞けばよかった。
 

2018年2月21日水曜日

午後から呉線に乗って











 
 
 
午後から呉線に乗って竹原まで行ってきた。
古い町並みが保存されている観光スポットがあるが、ほとんど人影がなくひっそりしていた。倉敷のように混んでいなくてのんびりできていい。街中にはところどころに昭和の建物が残っている。使い古されて朽ちた建物にはじっと見ていたくなるような温もりがある。いずれそのうち取り壊されて匂いのしない町になるんだろう。もったいないことだと思う。


  

2018年2月20日火曜日

大阪府豊中市服部緑地 11:41



  
 
 
 
もうすぐ二歳になる男の子の写真を撮る。
彼は人見知りをせず一緒に遊ぶ。公園では梅の花が咲き始め。彼は花にはまったく興味を示さないが、彩りの少ない季節ゆえ花を入れた写真も撮る。小春日和のよいお天気で何よりであった。

彼が歳の割によくしゃべったり歌ったりするのでそれをママに言うと、昼間に彼を預かってくれている母上がよく話すのだそうだ。幼児教育に「大阪のオバチャン」は向いているのかもしれない。
          
御堂筋線に乗ると、向かいの席に老夫婦が座っていて、寡黙そうなおじいさんにおばあさんがなにやらずっと話している。そして、ひとしきりしゃべっておもむろにハンドバッグのポケットを開けると、ひとつかみ「飴ちゃん」を取り出し、おじいさんに「どれがええ?」とひとつ渡すと、自分もひとつ取って頬張り、ようやく落ち着いたかのように窓の外を眺めた。
 








山陽本線三石駅 6:57



 
 
 
大阪へ。
朝4時起き。ひたすら眠い。部屋の温度が9℃だったから、それほど寒くなくて助かった。
車窓には冬の枯れた景色が広がる。あと2ヶ月すれば新緑の季節になる。待ち遠しい。
  
毎年言っているけれど、屋外でのロケーション撮影に一番いい季節は5月から6月上旬にかけてである。緑が美しく、ヤブ蚊もいない。比較的天候も安定している。秋よりよほど撮りやすいのでほんとにおすすめなのだけど、結局、秋に撮影希望が集中して、どうしてもお断りせざるを得なくなるのも毎年のこと。