2018年10月11日木曜日

広島空港 19:22

  
 



 
三列シート真ん中席の搭乗券を手荷物カウンターの女性に差し出すと「非常口座席の通路側が空いてますよ」とのことで変更してもらう。
 
座ってMacを開いて仕事していたら、CAさんがやってきて離着陸時にはパソコンを上の荷物棚に入れるように指示される。たしかこないだも非常口座席に座ったがそんなことは言われなかったような……と思い返せばそれはスカイマークであって、JALではなかった。
 
挙式撮影で行く神社によって作法が微妙に違うのと同じように、法規的な決まりではなく航空会社による独自ルールなのであろう。CAさんの指示とあらば受け入れるほかない。
 
そういえば、離着陸時はカメラのストラップを首に掛けろと指示された銀色飛行機のLCCにはその時以来乗ってない。
 




2018年10月10日水曜日

津山線津山駅 17:59

  
 
 
  
お土産を買って家に帰るということをあまりやらない。
観光旅行ではなく仕事だし、もともと土産物を買うという意識が希薄である。
  
それでも、あまり行かない町に行くと、何かを買って帰ろうかという気になる。
そんなわけで鳥取駅の土産物屋をちょっと覗いてみたけれど、あまりピンと来るものがなくそのまま出てきてしまった。特産のラッキョウを店の前面で推していたけど、尾道のスーパーにも地元の農家が作ったラッキョウを置いてるし…
  
津山で因美線から津山線への乗り換え時間が30分ほどあったので、改札を出て、駅併設のコンビニに入る。
駅ナカのお店なので土産物コーナーがある。メインで並んでいるのは岡山名物きびだんご。じっと見つめてひと箱取り、これならハズレではなかろうとレジに運ぶ。
   
鳥取に行ったのにきびだんごを買って帰るのは間違っているだろうか。
でも、ミチコさんにはラッキョウよりこれのほうがいいような気がするからいいや。
 
 





日ノ丸自動車中河原線岩倉 14:54



  
 
 
 
 
ハーフバースデーの赤ちゃんである。
笑ってくれるツボがよくわからなかったが、泣かれなかっただけよしとしよう。
 
ママは気合いを入れて、部屋の壁を飾り付けていた。
インスタを見て参考にしたらしい。
 
台所を写さないでほしいと言われたので、日常の生活感がある写真もよいものだと応えたけれど、あまり納得してくれなかったような。
 
「せっかくだから良く写りたいじゃないですか」と言う。その気持ちを否定するわけではないけど、散らかった部屋もいつか大切な思い出になると思うのですよね。それがその家族にとっての歴史そのものだから。
 
 
撮影終えて、駅に戻るバスが来るまで40分くらいある。雨宿りを兼ねて、バス停近くの古い小さな喫茶店のドアを開けた。店の名前は「チャコ」。
 
外からテーブル席で居眠りしてる客がいるとみえたのが店の主人であった。隅のテーブルに地元の人らしき先客が一人。
 
還暦をとうに過ぎたと思われる彼は僕が席に着くなり「なんにします?」と聞く。テーブルにメニューはないし、店の壁には「ホットケーキ450円」という手書きの張り紙があるだけだ。
 
コーヒーのほかに何があるかと問うと「トーストならありますよ」と言いながら、カウンターの隅から力の抜けたメニューブックを持ってきた。「あとはスパゲッティとか。スパゲッティはどうですか」彼が二回繰り返したメニューを注文する。スパゲッティは400円だった。ちなみにコーヒーは350円。
 
喫茶店のスパゲッティといえば違うことなくナポリタンである。
噛まずとも口の中で溶けるスーパーソフトな麺は、近所の老人たちに人気がありそうだ。ケチャップの味はしっかりしていて夢中で食べてしまった。カウンターの壁には調理師免許の免状が額に入れて飾られている。
 
店を開いて何年になるのか聞いてみたら「40年以上です」と彼は面白くもなさそうに言い、先ほど居眠りしていたテーブル席に座ると、スポーツ紙を開いて競輪ページに目を落とした。雨はまだやみそうにない。

 








山陽本線鴨方〜金光 6:49

  
 

 
 
雨の降り出しそうな空の下で、刈り取り前の田んぼが鮮やかな実りの色を見せている。
 
上郡(かみごおり)から智頭急行に入ると雨が降り始めた。昼間に智頭急行に乗るのは初めてなのに、お天気がさえないのは残念だ。

目的地は鳥取なのだけれど、おそらく仕事がなくても鳥取砂丘に観光しに行くことはないだろう。街の中をぶらぶら歩くほうがいい。鳥取の街は高いビルが少なく、こじんまりとしていていい。目立ったものがないかわりに、ひと通りのものは揃っていて暮らしやすそうに感じる。あ、冬の雪がなければ。
  
僕にとっては観光名所を訪ねることより、その土地の日常を感じることのほうが旅である。
 
薄暗い駅前のバスターミナルからお客さんのご自宅に向かう。
バスターミナルというのは薄暗くて雑多な感じがするほうがいい。
 
男性の係員が「大阪行きの高速バスが1番のりばでお待ちしております」とアナウンスする。感じのよい言い回しだなあと思う。
 


上郡駅で智頭急行に乗り換え。





鳥取駅「砂丘そば」

鳥取駅前バスターミナル




2018年10月9日火曜日

尾道 17:17


 



 
発送作業を済ませて駅に「吉備の国くまなくお出かけパス」を買いに行く。
 
JR岡山支社管内が乗り放題になる割引切符で、先だっての「広島シティ★カジュアルきっぷ」同様に、前日までに購入しないといけない。
 
駅舎の新築工事が続く尾道駅の仮駅舎窓口は狭く、そこに高校生の行列ができていた。春に買った6ヶ月定期券の切り替え時期であるらしい。
  
山陽本線は夏に長い不通期間があったせいで、払い戻し業務が煩雑らしく、窓口では時間がかかっているようだ。
 
今年の西日本は何かと災害の多い年である。残り3ヶ月は平穏であってほしいと思う。
 

2018年10月8日月曜日

中国ジェイアールバス西条線中黒瀬 17:31 


  
 



 
二週間前に生まれた赤ちゃんを撮る。当たり前だが起きているより寝ている時間のほうが長い。
 
ニューボーンフォトではないので、ようやく目を開けたときにありったけのパフォーマンスを繰り出して注意を引く。まだほとんど見えていない赤ちゃんはうるさそうに顔をしかめる。
 
 
水害で長らく不通が続いていた山陽本線の三原〜白市間が再開したのはつい先日のことである。
河内駅近くを流れる川には、以前見なかった大きな石が河原を埋め尽くしていて、災害の大きさを今さらながらに知る。
 
線路際の土砂崩れの痕跡が残る箇所では電車は徐行する。ぼんやり景色を眺めて電車の遅れを気にしていなかった。
 
西条駅には何分遅れて着いたのだろう。駅のコンコースに乗り換えるバスの発車時刻が表示されていて、次いでスマホの時計を見たら、あと1分しかない。
  
慌てて階段を降りてバスに向かって駆けたが、バスの運転手は気がつかなかったらしい。あと20メートルほど先でバスはドアを閉めて無情に発車して行った。
 
最寄りのバス停からお客さんの家までは2kmほどの距離があり、歩く時間を見込んでいたのだが、次のバスは40分後である。とりあえずお客さんに遅れる旨の連絡をしてバスを待つ。
 
駅から十数キロ離れた丘陵地帯の住宅地までバスで行く人は少ないだろう。バスを降りて、かつてはのどかな農村風景が広がっていたはずの道を歩く。車は頻繁に通るが、歩いている人はいない。
 
途中でプレハブ倉庫のようなタクシー会社の営業所があった。
少しでも早く着けるならタクシーに乗ろうと事務室に立ち寄ると、会社の飼い犬に吠えられる。その声で、誰もいない事務室の奥から女性が出てきて、近くにいるタクシーを呼ぶから外の運転手休憩用のベンチで待つように言われる。
 
座るとさっき吠えた犬と目が合う。犬はどうやら退屈していたらしい。のどを掻いてやると気持ちよかったのか、もっとやれと体を伸ばしてきた。

 







尾道 11:19






  

 
車がやっと通れるくらいの古い細い道を自転車で走ると、キンモクセイの匂いが香る。美しい秋の日である。
 
3月に家の写真を撮った家族に、新しい赤ちゃんが生まれて、新しい家ができた。
 
二世帯住宅になり、二階には子ども用のすべり台が置かれている。今は一歳の兄がようやく遊べるくらいだが、そのうち弟と上ったり跳んだりするようになる。
 
やがて小さな子どもたちはランドセルを背負って家に帰り、階段を駆け上がるだろう。
まだまだ先のように感じるが、気がつけばあっという間にその日が来ている。
 
 
赤ちゃんの写真を撮っていたら、いつの間にか千葉に住んでいる別のお客さん家族が部屋に上がってきていてびっくりした。
ママの親戚にあたるのだという。連休で広島旅行に来たらしい。先を急ぐからと全員の記念写真だけ撮って出て行った。
 
千葉のお客さんの紹介で、尾道のご家族を撮影させていただけた。ありがたいご縁である。