三原由宇出張写真室

2019年1月31日木曜日

尾道 16:19

  
 
 

冷たい雨なのだけど、春雨のように柔らかく降る一日であった。
 
ミチコさんが猫2匹を動物病院に連れて行くというので、車を動かす。
 
我が家から駐車場までは自転車で10分ほど離れているから、どうしても行き帰りは雨に濡れる。坂の町に住むというのはこういうときに不便である。
 
とりあえずミッションを終えて家路を辿るところで、階段下の踏切が鳴った。
 
写真でも撮っておこうかとカメラを取り出す。
 
春になれば満開の桜の下を電車が通り過ぎるスポットである。今は当然ながら桜の木にはまだ蕾の形もない。
 
しかし、今までほんとに気がつかなかったのだが、梅の木もそこにあったのだった。
 
住む人のいなさそうな家の、荒れ果てた庭に桜を梅を配置したのは誰だったのだろうう。
 
彩りの少ない2月の雨景色の中にそこだけ薄紅の絵の具を落としたような梅の花を仰ぎ見るようにして山陽線の黄色い電車が通り過ぎる。
 
 

2019年1月30日水曜日

尾道 17:03

  
 
 

何件かの発送を終えて海べりを自転車で走る。今日もいつの間にか日が暮れてゆく。
 
会社員をやめてフリーになった頃の写真をGMOがやっている「プチ」というホームページサービスにアップしていたのだが、そのサービスが終了するという。希望者は写真とテキストデータを別のブログに移行するように、とメールにある。
  
そのホームページにはミチコさんとの写真ばかり載せていて、ここ数年はほとんど更新もしておらず、リンクも貼ってないからおそらく誰も見ていない。
 
このまま何もせずに放っておくと、サービス終了とともに写真は消え去ってしまう。アルバム代わりのきわめて個人的な写真ばかりなので、非常に惜しい。データをダウンロードしてどこかに移さなければなるまい。

まあ、いつかはこういうことになるんだろうと予想はしていたけど。
 
 
今回はとてもマイナーなサービスだから仕方ないと思ってはならない。
  
インスタグラムやFacebookなど、いまをときめくSNSだっていつかサービス終了してしまう可能性はゼロではない。ネットに上げたデータは永久的にそこに存在するわけではない。
 
IT技術は進歩しているはずなのに、なぜこんなにも不確実な世の中なのだろうか。
 
 
 
ちなみにもうすぐ消えてなくなるホームページ(というか日記)はこちらです。昔の写真を見ると、めっちゃ恥ずかしい。
http://miharayuu.petit.cc
 







2019年1月28日月曜日

山陽本線糸崎〜尾道 15:23

  
 
 
 
先週、歯医者さんで虫歯の治療をしたばかりだというのに、今度は別の歯の冠せが取れてしまってまた行ってきた。
  
治療の最中に、ピンセットでつまんだ冠せを先生が口の中で取り落としてしまう。喉の奥で止まったそれを慎重に拾い上げるところが今日のハイライトであった。思わず飲み込んでしまわなくてよかった。新たに作り直すと余計に時間がかかる。
   
 
 
三原から乗る山陽線の電車には、制服姿の小学生が乗っている。
市内にある付属小学校の生徒なのだろう。小学生のときから電車通学できるなんてうらやましいかぎりである。
 
かくいう僕も長崎で附属小学校に通っていた身であって、小中の9年間はバス通学であった。
 
バスの中で友達と遊んだりふざけたり、今電車で見ている子らと同じことをしていたはずだ。
 
当時も周囲の大人は子どもだった僕のことを今の僕と同じような目で見ていたのだろうか。時間は戻らないけど、既視感的な感情を抱きながら、賑やかな子どもたちを見ている。
  
こういう光景も写真に撮れたらいいのになあ。
 
将来彼らが大人になったときに、きっとある種の感慨を持ってその写真を見てくれるはず。
 
 
 
今日は歯医者さんから駅まで約1.5kmほどの道を歩いた。途中で古い建物が残る一角がある。
 
三原は城下町で歴史のある町なのだが、明治時代にお城を壊し、昭和時代に新幹線が開通して単なる地方の小都市でしかなくなった。もともとあった風情を失ってしまったのが非常に残念でもったいない。 
 
 






2019年1月27日日曜日

尾道 17:51

  
 


 
昼間は家で仕事して、夕方5時のヤマト運輸の発送の締め切りに間に合うように家を出て買物などを済ませる。
  
今日は灯油のポリタンクを自転車の前カゴに乗せて家を出た。
我が家の冬場の暖房はもっぱら石油ストーブである。エアコンもあるが、古い木造の家は風通しが良すぎて暖かくならない。
   
駅の西側の国道沿いにあるガソリンスタンドへ自転車で乗り付けて灯油を入れる人を僕のほかにまだ見かけたことがない。
 
なにしろ家の前は車が入らないし、18リットルのポリタンクを手に提げて石段を上るのはさすがに辛い。重たくなった自転車を押しながら坂を上るのが毎冬の習わしになっている。
      
灯油を入れるのは月に3〜4回くらいだろうか。今冬は1リットル80円代後半で推移している。数年前1リットル100円だった頃に比べればましだが、真冬は光熱費がかさむものだ。
   
灯油を入れ終わり、ガソリンスタンドのスタッフに見送られながら、家に帰る。前カゴが異様に重たいのでバランスが崩れないように注意しながら自転車を漕ぐ。
 
今年の冬は暖かいから助かるなあ。
 



2019年1月26日土曜日

尾道 17:26

  
 
 

穏やかな晴れ間が多いと感じる冬である。今年は暖冬であるらしい。
 
たしかに昨年までなら朝方は氷点下に下がる日が多かったが、今年は氷が張るような朝がない。
 
まあ暖かいのは灯油代もかからないから結構なことなのだが、反動で夏が寒かったりすると困るなあなどと思うのは僕が小心者だからかもしれない。
 
僕はインフルエンザにもなっていないが、なぜか猫が順番に風邪をひいてくしゃみをしている。一歳から二歳くらいの若い猫ばかり鼻をぐすぐすさせているのは、免疫力がないからであろうか。
 
人間の子どもが保育園などでウィルスをもらってきてすぐに熱を出したりするのと同じかもしれぬ。
 
病気にならないに越したことはないが、ずっと無菌室で生活するわけにもいかない。ウィルスともうまく付き合ってゆくほうがよいだろう。アバウトすぎるかもしれないけど。
 


2019年1月25日金曜日

津山線津山駅 13:29


 
 
  
冷えた空気を吸い込んで蝋梅が咲いている。
津山城の川を渡った東側には、小高い山を背にしていくつかお寺が並んでおり、吉井川に向かってなだらかな斜面に家々が建つ。
 
ご依頼いただいた家族にはもうすぐ二人目の子どもが生まれるらしい。
 
本堂の中を縦横無尽に走り回る二歳の女の子を撮る。お寺の中はかくれんぼするには絶好の場所だ。しかし、彼女にカメラを向けるとすぐに逃げ出してしまってなかなか撮れない。
 
パパとママは困っているが、もっともそれが自然な姿である。僕はカメラを持った見知らぬおじさんにすぎないのだから。
 
ぜんぜん馴れてくれないので、おうちに入ってもらって落ち着いてからまた写真を撮る。
 
「いい写真を撮る」なんてことは、子ども本人にとっては関心がないし関係のないこと。カメラのレンズを意識している間はいい写真にならない。家族にとって僕の存在がどうでもよくなってくれるのを待つ。
 
 








  
  
撮影終えて、駅まで送ってくださるというのをいつものようにお断りして、駅まで歩いた。 
 
津山は古い城下町で、中心部には立派な石垣の城跡が残る。
  
観光地というには地味な街だが、旧街道沿いの街並みには風情がある。ところどころに若い人たちが居抜きで入ってカフェや雑貨屋をやっていたりする。
  
あとは飛騨高山や津和野のような物語性があれば、もっと外来者が増えそうだけどなあ…、そんなことを考えながら渋い建物が連なる通りを歩く。
   
工夫しだいで倉敷のような観光地に変身できそうなんだけど、残念ながら今の津山市にはそういうセンスがないんだろう。もったいないことである。(お役所にそういうセンスを求めるのが間違っているかもしれないが)
 
もっとも僕は観光地には興味がないから、今の地味な雰囲気のままのほうがよい。
  
人通りもない古く寂れた家並みにカメラを向けていたら、向かいから歩いて来た30代くらいの男に声をかけられた。
 
「写真撮ってるんですか?この先にピンク色の建物があるんで、見てってください」まるで何もない砂漠でばったり出会った人のようだった。同好の士っているんだなあ。
 
彼は近くでアートギャラリーをやっているからよかったら見てくださいと言い、そのまま背を向けて去って行った。
 
 















2019年1月24日木曜日

尾道 16:58


 
 
   
何件かの発送を終えて、セロテープやのりやら細々としたものを買いにゆく。
 
撮影がなくても仕事はあるわけで、完全な休日は元旦くらいで毎日何かしらの仕事をしている。まあそれが嫌ではないし、ほかにやりたいこともないので、さいわいなことに「仕事から逃げ出したい」とかいうストレスはない。納品がなかなか終わらないのは常に頭にちらついているけど。
  
それが原因なのかどうなのか、夜、寝ているとき体に無意識に力が入っているらしい。
夜中にふと目が覚めると手をぎゅっと握りしめている。その力の入り具合はとても無意識とは思えない。入眠前にリラックスするとよいらしいが、リラックスって意識してできるものなんでしょうかね。
 
自分ではお気楽に生活しているつもりなのだが、現実はなかなかそうではない。誰でも多かれ少なかれそういうものかもしれないが。
 

2019年1月23日水曜日

芸陽バス田野浦線宮浦東 16:15

  
 
 
 
左の奥歯に進行中のう蝕治療を済ませた。
早い話が虫歯になった歯を削ってプラスチックで埋めた。
  
先生が「ちょっと響きますよー」と言いながらぶっといドリルを歯に当ててぐあんぐあんと削ってゆく。頭蓋骨に振動が伝わってヘルメットの内側から脳みそを揺さぶっている感じ。
 
あまり気持ちのいいものではないが、虫歯になったのは自業自得だから我慢するしかない。
 
虫歯が発生する主たる原因は、糖類を摂取する頻度と時間の長さである。
 
僕が信頼する先生曰く、歯磨きは虫歯を防ぐ方法にはなり得ないそうで、食べる回数を減らすことが口腔衛生には大切なんだとか。(食事の合間にジュースを飲むのもよくない)  
  
僕はあまり間食をしないのだが、夕食前にお酒を飲みながらつまみで何かを食べるのがよろしくない。植木等の「スーダラ節」です。わかっちゃいるけどやめられない。
   
お酒も糖質ゼロの焼酎や泡盛ばかり飲んでるんだけど、やっぱりダメですよねえ。
 
 

2019年1月22日火曜日

尾道 16:59

  
 
 

少しずつ日が長くなる。
 
新しいHDDを入れて、先月からのデータを保存する。
2018年のRAWデータは4TBに収まりきらず、12月の途中ではみ出すように別のHDDに入る。キリよくいかなかったので、ややモヤモヤするが、まあ仕方がない。
 
年々HDDは増えるから筐体の置き場所に困るのではないかと思ったときもあったが、HDDの容量も増え続けていてそれは杞憂に終わっている。
 
10年前くらいは1TBのHDDがものすごく大容量に感じていた記憶がある。それが今では同じ値段で4TBが買える。この先もHDDの容量は増え続けてゆくに違いない。
 
もっとも、データはHDDに入れればそれで安泰というものでもなく、常に消失のリスクがある。HDDが物理的に壊れたらアウトだ。
 
ご家庭の写真のデータはどのように保管されているだろうか。
 
スマホで撮っていれば自動的にクラウドストレージに保存されて安心かもしれない。でもそれは銀行にお金を預けているようなもので、なにかのシステムトラブルでATMからお金が引き出せなくなるように、クラウドにアクセスできなくなる可能性だってある。
 
どの方法でも100%安心できることはないけれど、気に入った写真だけでもプリントして手元に置いておくのが一番確実な保存方法かと思う。
 
 

2019年1月20日日曜日

山陽本線東福山駅 16:33


  
 

 
 
朝は冷たい雨が降っていたのが、昼過ぎからは窓から暖かな陽射しが入るようになった。
 
学生時代から付き合ってきたという二人は、結婚式だからと気負うこともなく式をこなして食事を楽しむ。
 
若干眠たそうな新郎と、くるくるとよく表情の変わる新婦である。いい雰囲気だなあと思う。二人を見ているとなんとなく安心する。きっと二人の親御さんもそう思っていることだろう。

どうか末長くお幸せに。結婚おめでとう。


 
式場でもあるレストランの敷地には狭いながらも植栽の整った庭があり、せっかく晴れたのだから披露宴の後はそこで撮ろうと思っていた。
 
それをプランナーさんに伝えると「外には出られません」と言う。
しかし、今までに何度かそこで撮影したことがある。なぜかと問うと、近隣の住人(おそらく一人)からクレームが来るのだという。
 
新郎新婦の写真を撮るだけなので大声を出して騒ぐわけでもない。だがその人に見つかると、レストランの関係者はあとで一時間近く小言を言われるらしい。そのためやむなく庭での撮影は自粛しているという。
 
そういう理由とは思わず絶句した。
もとよりレストランの敷地の中である。誰の迷惑になるわけでもない新郎新婦の写真が、その人のクレームひとつで撮れないとは。
 
今や保育園の子どもの声や大晦日の除夜の鐘ですら苦情の対象になってしまう日本という国は、もうどこかで大きく間違っているとしか思えない。