三原由宇出張写真室

2020年3月31日火曜日

広島県廿日市市丸石 12:31 






 
 
料亭の庭の向こうに桜が咲いている。
 
薄曇りの空の下で二十歳の彼女は屈託無く笑う。子どもが素直にそのまま大きくなりました、という感じがする。関西の大学で英語を勉強しているそうだ。
 
高校時代は生徒会に入っていたという。
 
会長のようなリーダー役なのか、それとも縁の下の力持ち的な裏方役なのか問うと、ちょっと考えて「真ん中で調整役でした」と答える。やわらかく見えて芯は強いのだろう。
 
  
家族四人で手をつないでジャンプしてもらった。高校生の弟くんも照れながらがんばってくれる。家族写真はいつ撮ってもいいものだ。 
 
成人おめでとう。素敵な大人になってください。
 
 
 
撮影終わって駅まで戻る県道の途中、幅2メートルほどの細い道が、丘の斜面をゆるくカーブを描きながら伸びている。江戸時代は西国街道と呼ばれた道らしい。
 
途中に旧蹟があるわけでもなく観光客も来ないが、こういう地味な古い道が今も使われているのに「萌える」。
 
徒歩で旅していた先人たちはどんな景色を見ていたのだろう。そんなことを考えながらカメラバッグを提げて歩く僕がそもそも地味なんだな。
 
 
















山陽本線尾道駅 7:35

  
 


廿日市まで本日の撮影に。
 
雨が降るかと心配していたが、なんとか持ちそうである。
 
コロナウイルスの感染を防ぐために週末は外出自粛が叫ばれているが、平日はいつもとかわらぬ通勤電車の車内。人が密集してはいけないんじゃなかったっけ。
 



2020年3月30日月曜日

東京都交通局浅草線東銀座駅 12:01

  
 

 
午前中の撮影がキャンセルとなり、羽田空港のラウンジで仕事する。
 
人がおそろしく少ない。
  
すでに地方へ飛ぶ便が減便されていて、出発ロビーの時刻表では欠航を示す赤色のサインがいくつか見える。
 
昨日はコロナウイルスで志村けんさんが亡くなられた。これから同じような死亡者が増えるのだろうか。漠然とした不安がよぎる。
 

 
広島行き最終便の乗客は20人ほどであった。
 
ネットで「CAさんとの合コン状態」と書いていた人もいたが、あながち誇張ではない。
 
この状況がいつまで続くのか、先が見えない。 
 







2020年3月29日日曜日

バス停まであと2、300メートルというところで

 

 
バス停まであと2、300メートルというところで藤枝駅行きのバスが行ってしまった。
 
次は1時間後だが、その前に島田駅行きのバスが来るらしい。今日中に東海道線で東京に戻れればいいので、藤枝でも島田でも大して違いはない。島田行きのバスが来てそれに乗る。
 
島田駅に着くと、そういえばひとつ西隣は金谷だったなと思い出す。
 
金谷には木村八澄さんが住んでいる。連絡して遊びに行く、というかもう夕方なので晩ごはんを食べに押しかけるようなものである。
 
木村さんの家に2時間いて、野菜たっぷりの健康的な夕食をご馳走になり(お酒は飲まず!)、また見送られて上り電車に乗る。
 
とくになんの用もないのにお邪魔してしまったわけだが、不要不急の用事こそが人生を楽しくするものです。
 
木村さん、ありがとうございました。また遊びに行きます。

 




しずてつジャストライン島田静波線片岡 16:50














 

赤ちゃんのときから毎年撮ってきた女の子も小学生になる。次男くんは幼稚園だ。
 
子どもはいつも気がつくと大きくなっている。
 
ようやく雨が上がった公園にはほとんど誰もいない。花が咲いている桜の木は一本だけ。そこで入園入学の写真を撮る。
 
女の子が着ていた園服を弟くんに着せると、服が歩いているように見える。ぶかぶかすぎる制服姿も今だけだ。それもいつの間にか小さくなっていることだろう。気がつくと。
 
ときどき風が吹いて肌寒い。春らしい格好をしていたご家族には寒かっただろうと思う。パパもママもよくがんばっていただいてありがとうございました。
 
 
 
途中から合流した女の子のお友達二人と手をつなぐと、これぞ小学一年生。
 
桜の花の下で真新しいランドセル姿の子どもたちは輝いて見える。入学おめでとう。ほんと大きくなったなあ。
 



撮影終えてバス停まで約3km歩く。
 
公園は大井川の一番下流にある橋のそのまた海よりにあった。周りは倉庫や工場が集まっていて人家はない。
 
時折トラックが行き交うだけの細い川沿いの道をゆくと、コンクリートの橋のたもとに猫がじっと座っているのが見えた。
 
近づいてみると、別の猫が現れて逃げるどころか近寄ってくる。しばらくするとまた一匹。彼らはみな耳の端っこがカットされていて、去勢されていることを示している。
 
気がつけば、近くの屋根の壊れた倉庫のような建物に数匹の猫がいた。おそるおそる中をうかがうと、餌を入れる容器や、断熱シートで覆われた箱があったりする。誰かが世話しに来ているのだろう。
 
思いがけないものを見つけると得をした気分になる。知らない土地を歩くのは楽しい。