三原由宇出張写真室

2018年7月31日火曜日

赤穂線播州赤穂駅 19:28

  
 
 
 
18きっぷが使えるときは急いで帰らなくていい。長野から尾道までは約13時間。
姨捨駅から晴れ渡る善光寺平を眺め、塩尻から緑の木曽谷を下る。 
 
今夏はとにかく記録的な暑さであるらしい。
実際暑いのだが、いつもの夏と同じような気がする名古屋駅のホーム。大垣行きの電車を待つ ほんの5分程度の時間が長い。
 
 
米原行きの車内で老人グループがいて賑やか、というより若干うるさい。
子どもでも大人でも、一人だとおとなしいのに何人かが集まるととたんに騒々しくなるのは自然の成り行き。
 
かなり酒が入っているようで、「氷あるよ」などと いう言葉が聞こえるから、彼らは焼酎かウィスキーか濃い酒を持ち込んで飲んでいるらしい。
 
まあ、昔の東海道線とか常磐線の夜だと日常的に見られた光景だけど、最近では電車の中で酒盛りする人はめっきり減った。
 
酒を飲むくらいいいじゃないかと寛容さを示すか、それとも公共の乗り物なのだから節度を守れと不寛容を通すか。
 
不寛容を寛容すると結果的に寛容性は損なわれる。
だから多少うるさくても大目に見なければなるまい。僕も夜の山陽線でたぶん飲むだろうし。
でもおじさんたち、空き缶を椅子の下に放置したまま降りてる。それはダメだ。
 

篠ノ井線姨捨駅。

松本駅0番ホームにある「山野草」の冷やしそば。
わさびの代わりに、そばの上に乗っている野沢菜昆布がいいアクセントになっていて、これはおいしい。

中央西線名物「寝覚の床」



名古屋駅。ひたすら暑い。





2018年7月30日月曜日

信越本線長野駅 20:51

  
 
 
  
長野に着くと横須賀線の電車が停まっていた。
いや、しなの鉄道の電車なのだが、その昔信越本線を走っていた頃の塗装にされている。
  
青とクリーム色のツートンカラーの電車は、はじめ横須賀線に導入されたことから「スカ色」と呼ばれています。
 
地元の人にとっては珍しくもなんともないだろうけど、現在、スカ色の115系電車は全国にこの一編成だけではなかろうか。ホームの上では電車にカメラを向ける鉄道ファンがちらほら。
 
電車に一眼レフを向けていると周囲からはすぐに「ヲタク」がいるなという目で見られる。実際その通りであって、好きなことを隠しておく必要がどこにあろうか。ホームにしゃがんでぎりぎりのローアングルで狙えば、写真に迫力が出る。
 
薄っぺらいアルミ車両ではなく鋼鉄製の115系電車はそこに佇むだけで重みがある。
車体の表面はかすかに波打ってホームの光を映す。美しい。これが浪漫だ。
 
 



 

 

しなの鉄道しなの鉄道線中軽井沢駅 18:06

  

 
 
 
  
軽井沢の空気はからりと乾いて風がそよぐ。

信濃追分駅の待合室に誰が詠んだのか「万緑に包まれ信濃の人となる」という句が短冊に書かれて掛けてあった。 
撮影場所まで木立の中の道を歩いていると、僕も信濃の人になったような、そういう気分にさせられるような夏の日である。
    
 
香港から夏休みを過ごしに来た家族を撮る。
 
2年前に沖縄で撮影した男の子は五歳になって動きが活発になっている。もうママは彼についていけないから代わりに遊ぶ。小さな子どもとなら言葉が通じなくても遊べる。手をつなごうと彼から手を差し出してきたのにはちょっとびっくりした。
  
日本人以外の東アジアの人たちは、写真を撮るとなると自らポーズを作ろうとする。
決まった型のような記念写真を求めているのだろうか。僕のように遊びながらというか自然の流れに任せて撮るスタイルだと戸惑ってしまうようだ。
   
文化の違いと言ってしまえばそれまでだけど、このスタイルが東アジアにも広がっていかないかなあとちょっと思っている。
 
香港や台湾で子どもや家族の写真を撮ってみたいが、こういう仕事でビザは取れるのだろうか。誰か詳しい方がいたら教えてもらいたい。
  
 






中央本線瑞浪駅 7:08

  
 
 
 
木曽谷を上がってゆくにつれて暑さが少しずつやわらいでゆくようだ。
谷の向こうに見える空が真っ青で見ていて気持ちが良い。
 
篠ノ井からしなの鉄道に乗り換え。
元はJR信越本線だった第三セクター路線だが、長野新幹線の開通とともに切り替わってもう20年になるらしい。ついこの前のような気がするが、いつの間にそんなに時間が経ってしまったのかと思う。
 
しなの鉄道ではJRからのお下がりの115系電車が走り続けているが、先だって新車導入のニュースが流れた。山々を眺めながら115系のモーター音を聞くのは鉄道旅の醍醐味のひとつである。置き換わるのは寂しいが仕方ない。ほとんどの人にとっては電車のモーター音なぞどうでもいいことだと思うけど。 
https://trafficnews.jp/post/80582
    
信濃追分という風情のある名前の駅で降りる。駅は標高956メートルに位置するらしい。ホームの脇にコスモスとリンドウが咲いている。

撮影場所は駅から2km先にある。高原の夏は爽やかで歩くのが楽しい。
 


松本駅0番ホームにある「山野草」の駅そば。
「特上麺」を注文してみたけど、普通の茹で麺のほうが好みかも。

日本三大車窓のひとつ、姨捨〜稲荷山間。



信濃追分駅に到着。自撮りしたくなる駅でした。
 

2018年7月29日日曜日

東海道本線京都駅 18:30

  
 
 
 
 
夕焼けを窓に映しながら新快速は近江平野を走る。
米原で乗り換え。さらに名古屋で中央本線に乗り換えて、今日は瑞浪に泊まる。
どこかで花火大会があったようで、夜の瑞浪駅前には浴衣姿の女の子たちが家族の迎えの車が来るのを待つ夏の夜。
 
 
京都駅のコインロッカーに入れていた荷物を取り出す。
ICカード対応のロッカーなので鍵はない。ICカードを読み取り器にかざして施錠と解錠をする。

旧来のロッカーと同じく百円玉でもよいのだが、決定的に違うのは鍵がないことである。ICカードがなければ、解錠するときは施錠時に発行されたレシートにあるQRコードを読み取り器にかざす。
 
離れたところで、おじいさんがタッチパネルの前でそのレシートをしきりにICカードの読み取り器に押し当てていた。それではロッカーは開かない。
 
この方式のロッカーはタッチパネルの操作が必要なのだが、慣れない高齢者にとってはハードルが高いようだ。声をかけて、代わりに開けてあげた。
 
ロッカーだけでなく、かつてはボタン式だった切符の券売機も今ではすべてタッチパネル式に切り替わった。
わけがわからず機械の前で固まるおじいさんおばあさんの代わりに切符を買ったことは何度もある。
 
機械の進歩は便利さを追求しているはずなのに、ある人にとってはかえって不便になってしまうパラドックス。これは将来も解消されることはないのだろうか。
 
僕もそのうちおじいさんになって、使いこなせない機械に呆然とする日が来るに違いない。
 



京都市交通局烏丸線鞍馬口駅 18:08



  
 
 
  
台風が過ぎて、取り残された雨雲が比叡山の上に居座っているが雨はもう降らない。
雨と風のおかげか、覚悟していた暑さもさほどではなく、この時期としては上出来のお天気であった。
  
鴨川のほとりで家族の写真を撮る。
毎年この時期に写真を撮っているけど、年々子どもが大きくなるにつれて撮影が難しくなる。小学三年生の女の子は僕がふざけても反応しない。
 
遊びで走ったり跳んだりしなくなるのも時間の問題であるけれど、「家族の写真はそのときしか撮れません」

 
彼女にはもう説明したらわかってくれるのではなかろうか。なぜ親がフォトグラファーを呼んで自分たちの写真を撮るのかという理由について。
 
そうすれば、ただ笑顔の写真を撮るのではなく、ストーリー性のある撮影ができるかもしれない。1時間で完結するようなシナリオを考えるのは難しそうだけれど。
    
家に帰って、神楽好きの弟くんは烏帽子を被り、プラスチックの刀を持ってひとしきり神楽を舞ってくれた。
 
好きこそ物の上手なれというが、刀を振り回すさまは実に堂に入っており、彼は将来いったい何になるのだろうか。
 
 







2018年7月28日土曜日

京都市左京区岡崎円勝寺町 18:37





 
 
  
台風は今日の結婚式を遠慮したのか、なかなか京都までやってこない。
おかげで一日中まったく降られずに挙式は結び、披露宴は開く。
 
披露宴では、主賓で招かれた人がスピーチに立った。先輩からのアドバイスだけど、と前置きしてから、愛とは与えるものであり見返りを求めてはならない、という話をされた。

聖書の一節かしらんと思っていたが、もしかしたらエーリッヒ・フロムの「愛するということ」からの引用かもしれない。

結婚15年目の今も夫婦喧嘩は尽きることがないから、写真を撮りながら密かに反省する。
しかし、そうは思っていても実際にはなかなかできないものです。僕はまだ人間として未熟なんだろう。
   
  
新郎新婦とは一年かけてエンゲージメントフォトと前撮りを2回撮影した。
(今までの撮影はこちら)
https://miharayuu-monophoto.blogspot.com/2017/06/1703.html
https://miharayuu-monophoto.blogspot.com/2017/11/1607.html
https://miharayuu-monophoto.blogspot.com/2018/04/1644_18.html
 
いろいろ準備していても、結婚式の当日はなにかと慌ただしい。二人に結婚の実感に浸る余裕はなかったかもしれないが、これから先の人生の中で佳き思い出になってくれたらと思う。
  
 
挙式は京都御苑に隣接する梨木神社である。
蝉時雨の中、ペットボトルを持って手水の水を汲みに来る人が後を絶たない。湧水であるらしい。

汲み終わった人に尋ねると「飲めますよ」というから、柄杓ですくって一口いただくとまろやかで冷たい。二人に勧めてみればよかったが、撮影に紛れて忘れてしまった。

それとももうすでに飲んだろうか。まだだったら、挙式した神社の水はおいしいからあとで二人で飲むといい。結婚おめでとう。末長くお幸せに。