青梅線西立川駅 16:59
広大な公園のコスモス畑はやや盛りを過ぎていたものの、あたり一面に彩りを振りまいて、人々が集まってくる。
みなその花と一緒に、あるいは背景にして写真を撮ろうと一生懸命である。
それは日本に限らずどこの国の人でも同じなようで、SNSでひとたび人気を集めた写真があれば、人はそれを真似して撮りたがる傾向にあるらしい。
僕はアマノジャクだから、みんなと同じ写真を撮りたいとはこれっぽっちも思えなくて、人々とは真逆の方向にレンズを向けたくなる。
まあ、そんなんだからインスタにも乗り遅れたのだ。どうでもいいことだけど。
四歳と二歳の兄妹もたぶん僕と同じだろう。
コスモスの花を一瞥したら、走ってどこかに行ってしまう。
二人の後を追いかけて、少しでも絵になりそうな構図でシャッターを切る。その繰り返し。
よく「子どもの写真を撮るのはたいへんでしょう」と言われるが、予期せぬ動きと表情を見せてくれるからこそ撮りたくなる。
インスタの人気写真のような決まった構図やポーズもない。
偶然の、神さまが見せてくれた場面を撮りたいと思う。
ママは我が子がかわいくて仕方がない。
日々子育てに悪戦苦闘していても、ずっとこのままでいてくれたらと思うのだろう。
残念ながら子どもの成長は待ってくれない。
来年は今年より一年成長する。
できることは増えるが、そのかわり見られなくなる仕草や表情があるわけで。それを残しておく写真。
たくさん遊んで、西の空が茜色に染まる頃に家路についた。
パンツの右膝が破れたので買って帰ろう。いつもユニクロの同じモデルを履いています。サイズも覚えているし、裾直しもいらない。