宮崎交通椎葉線道の駅とうごう 12:51
山里に作られた広い公園には土曜日ということもあってか家族連れがもうひと組。要するにほとんど貸切のようなものである。
七歳の女の子は日本髪を結い縮緬の振袖を着て晴れ姿。
おじいちゃんおばあちゃんは彼女を見て歓声を上げる。
しかし彼女にとっては着物が苦痛以外の何物でもないようだ。「脱ぎたい」と繰り返す。手間暇かけて準備したママの気持ちなぞお構いなしである。
親の心子知らず。子どもは親の思うように育たなないのが世の常ではある。それでも親は子どもためと思ってあくせくする。かつて自分もそうされたように。
いやいやを言い募る彼女だが、写真だけは撮らねばならぬ。
手を繋いでいないとどこかへ行ってしまう二人の弟も入れて家族写真を撮るときはギアを上げる。ちょっと笑わせすぎました。
子どもたちとさんざん遊んで「楽しかったー」と言われるのは嬉しい。
飽きっぽくじっとしていない子どもたちだが、一緒に遊んでくれるうちは自然な笑顔が撮れる。
彼らが大きくなると、子どもが遊ぶのはスマホのゲームになり、ポーズはできても笑わなくなる。
写真を撮るときにたいへんなのは、子どもが大きくなってから。
今はカメラの前でどんなに動き回ってもかまわない。そのぶんたくさん笑顔が撮れる。
女の子が次に着物を着るのは成人式のときだろうか。
もし二十歳の写真を撮る機会があったとして、そのときも今日と同じように他愛なく遊んでくれたり、しないだろうなあ。
子どもの写真は子どものうちにしか撮れないものである。
宮崎交通椎葉線日向市駅 9:45 本日の撮影に。