総武本線亀戸駅 14:08


 


3年前のお宮参りの日は雨であった。
 
赤ちゃんは無事に三歳になり、再び神社にお参りする。今日は快晴である。
 
92歳になった女の子のひいおばあちゃんは杖も使わず元気に歩く。記憶もしっかりしていて娘(女の子のおばあちゃん)の七五三のことも覚えていた。昭和40年くらい。

おばあちゃんももちろん娘(女の子のママ)の七五三を覚えている。母娘三代で同じ神社にお参りするのも、ひとつ幸せなことだろう。
 
三代下町の江戸っ子ですね、とママの母上に言うと「そうなのよー、(ひ)が(し)になっちゃう」と笑う。

飛行機を「しこうき」なんて言う江戸っ子も今では少ないだろうが、見上げれば天高く飛ぶ白い飛行機が見える。



女の子の上二人の兄は十一歳と七歳だから、妹と遊ぶこともなくスマホのゲームに夢中である。
 
これはもう彼女ばかり撮ることにしよう。なにしろ待望の女の子なのだ。
 
彼女は三歳になりたてにしては、よくしゃべる。偶然かもしれないが、僕の撮りたい意図を察して動いてくれているように思える。なんだかとても賢い。おかげでスムーズに写真が撮れました。
 
彼女が七歳になったら、どんな女の子になってるんだろうなあ。
 
アホなことばかりするフォトグラファーに醒めた視線が送られないように祈る。
 


撮影終えて機材を片付けて表通りに出ると、会食先に歩いて向かう家族の後ろ姿が見えた。
 
本人たちは気づいていないかもしれないけれど、ハレの日の人は幸せの虹の中にいる。
 
 

亀戸4丁目交差点にある老舗の豆屋さん。商品箱の上に鳩がいる。猫はぜんぜん仕事してない。







東京都江東区亀戸 12:52 本日の撮影終わり。三歳女の子の七五三。ひいおばあちゃんも来て四世代揃ってお参り。 機材を片付けて表通りに出ると、会食先に向かう家族の後ろ姿が見えた。ハレの日の人は幸せそうに見える。