尾道 16:54
朝から従弟家族が遊びに来ることになり、慌ただしさが増す大晦日。
はるばる宇都宮からキャンピングカーを運転して来ているのだが、なにせうちには車が入らない。
うちに近い有料駐車場も探すが、なにせそのキャンピングカーはロングボディのマイクロバスを改造したもの。入るわけがない。
ロングボディって7m(6990mm)あるんですね。初めて知りました。
ただでさえ平地の少ない尾道の中心部にだだっ広い駐車場はない。
とりあえずスーパーの平面駐車場に停めることにして、うちまで歩いて来てもらった。
車社会の北関東で暮らす家族は人がすれ違うのもやっとの狭い路地を歩いて驚きの声を上げる。
彼らにとってみればちょっとしたカルチャーショックであろう。
千光寺まで歩いて登り模型的な尾道の景観にまた声を上げ、膝をがくがくさせながら降りると、今度は僕の車で向島へ。
冷たい海風が吹くものの、砂浜に寄せる瀬戸内の波は柔らかい。
海なし県から来た夫婦の子どもたちは歓声を上げて砂浜でシーグラス探しに興じる。今回の旅で一番盛り上がっているらしい。
予想以上に喜んでもらえてよかった。
そのあと少し時間ができたので灯油を買いに行き、家事をしていたら夕陽が部屋に射し混んでくる。
時計を見たら午後4時48分。もうすぐ電車が通るはずだと急いでカメラを持って家を出る。
陸橋の上に立つとすぐに踏切が鳴り始めオレンジ色に染まる西の空の下から、黄色い電車が乾いた音を立てて通りすぎてゆく。
来年は銀色の新車に置き換わっているかもしれないなあ。
変わらないように思える景色は間違いなく変わってゆく。
僕だって来年は今年より白髪が増えてるだろう。
変わらないものってないんだろうか。
写真を撮るときそう思う。
変わらないものにすがりたい。
僕はそれを探しながらまたひとつ歳を重ねてしまう。
今年も大過なく過ごせたことに感謝したい。
いろんな町でたくさんの人に出会えて写真を撮らせてもらいました。
ありがとうございます。
この仕事をしていて本当によかった。
来年も細々と写真を撮り続けていきたいです。
またいつかお会いできますように。
朝からイオンに行って元日に食べる刺身を買う。店内はさすがに賑わっていた。いよいよ年の瀬。