東京都新宿区西新宿 14:17




 
なにかのことにのめり込むということがないままこの歳まできてしまった。
 
もともとそういう気質は希薄だったし、今さら寝食を忘れるくらい集中して取り組むお金も時間も、もちろん体力もない。
 
当代一流と目される人たちにはそういう時期が必ずある、というかずっとそういう人生なのかもしれない。
 


『ルックバック』という映画を観る。
 
原作は藤本タツキの漫画で、僕がその作品を知ったのはTwitterに流れてきたからだ。
 
漫画を描くことにのめり込む二人の少女の友情と別れと成長が描かれるのであるが、いわゆる「青春モノ」ではないですこれは。
 



 
(ここから先ネタバレあります)
 
映画のラストの場面。
 
漫画を描くなんて地味だし面倒だしたいへんだし、描くもんじゃないよ、読むもんだね。
 
という(そういうニュアンスの)セリフのあとに、「じゃあ、なんで描いてるの?」という問いかけのセリフが返される。
 
その答えのセリフはなく、主人公が黙々と机のペンタブに向かって作品を書き続ける後ろ姿が映し出されるところにエンドロールがかぶさって、涙腺閉めるにはどうしたらええんじゃろ。
 
よかった。とてもよかった。
 


「じゃあ、なんで描いてるの?」という問いかけは、ほぼすべての人に対して投げかけられたものだ。
 
主人公にとって漫画を描くことが人生のほぼ全てである。 
 
つまり「じゃあ、なんで生きてるの?」という問いに等しい。明確な答えがあろうか。 
 
理不尽なことがあっても、黙々と漫画を書き続ける主人公の姿はたぶんきっとその答えだ。
 


映画館を出ればいつもと変わらぬ新宿の雑踏。
 
めまいがするような強烈な夏の陽射しを浴びて歩きながら僕は考える。



東京地下鉄丸ノ内線銀座駅 13:07 新宿にあるニコンのサービスセンターに出向く。今日も真夏並みの暑さだから地上はできるだけ歩きたくない。

東京都新宿区西新宿 13:45 新宿エルタワー28階からのいつもの眺め。視線を下に向ければ小田急百貨店が更地になっている。 Nikon Z6Ⅲを触ってみた。EVFはとてもいい。ありがちなストレスがほぼない。が、期待していた高感度性能がいまいちであるようだ。これは見送りかのう……。




映画「ルックバック」を観る。よかった。57分という上映時間が長く感じられた。 京本の最後のセリフ「じゃあ、なんで描いてるの?」という問いかけに答えるセリフはなく、藤野はただ黙々と描き続ける。近くに座っていたおじさんが鼻をすすっておった。歳取ると涙腺が弱くなっていけない。


東京都新宿区新宿 16:10 『ルックバック』にはたぶん京アニ放火事件がモチーフで使われているのだけど、亡くなられた方の遺族の人たちのために描かれた作品なのかなと歩きながら思う。


東京地下鉄丸ノ内線新宿駅 16:31 ホテルに戻る前にもうひと仕事するか。

南千住駅前。今日は昨日よりもわかりやすく #ひとり街宣 してみる。40分ほどの短い間で「オレはわかってるぜ」みたいなサムズアップしてくれたおじさんが一人。ちらちら見ていく人は何人もいるが、どれほどアピールできてるか心許ない。昼間は石丸さんがこの場所で街宣したようだ。