呉線川原石駅 15:52
神社に続く参道の階段を上って振り返ると、青空の下で光る呉の海がちらりと見える。
黄色いコスモスが風に揺れている。平日昼下がりの境内は森閑として人影がない。絶好のお宮参り日和である。晴れすぎて暑い。
車でやってきた赤ちゃんの家族は神社の裏手から入ったので、参拝の前にその景色を見せにゆく。鳥居もくぐれるし。
初めての赤ちゃんだから、パパとママはまぶしい陽射しや暑さにさらされる我が子に気が気でない。
カメラを前にしていてもちょっとでもぐずり始めると、意識が赤ちゃんに向く。
「さあ写真を撮るぞ」と思っていても、実際は赤ちゃんのほうが気になって撮影どころではない。
祈祷が済んでからスナップを撮り始めて10分もしないうちに、撮影を切り上げて帰りたそうな気配が漂う。
まあこれは、ほぼどの家族でもそうなので、僕はお家での撮影をおすすめしています。
帰りの車の中で目を覚ました赤ちゃんは、家の中で撮っているうちにまた眠くなったようで、ミルクを飲んだらぐずり出した。
飲んで寝てを繰り返して子は育つ。
この子はよく寝るから体も大きくなることだろう。
そして男子だからよく動く。ママが用意したかわいいバルーンを蹴っ飛ばす。 ああ、これはやんちゃ坊主確定だな。
子育てはたいへんだし辛いことも多い。
でもこのちっさな赤ちゃんがどんなふうに大きくなってゆくのか見届けるのは、間違いなくどんなエンタテイメントよりも楽しいことだと思うから、親業4ヶ月のパパとママはがんばってください。
撮りながら僕はそんなことを考えている。
初宮参りおめでとう。よくがんばりました。