東武鉄道伊勢崎線館林駅 14:10
思ってたんと違う、ということはいろいろあるのだけど、子どもを撮るときのそれはシャボン玉であろう。
シャボン玉さえあれば子どもは笑い、映える写真が撮れると思われがちだが実際はそうではない。
ふわふわ漂うシャボン玉を笑顔で見る子ども、という写真はめったに撮れない。
実際はシャボン玉をうまく吹くのに一生懸命で笑わない、吹き口を咥えて頬を膨らませている写真を量産することになる。
うまく吹けないとすぐに飽きてしまう。あっシャボン玉液をこぼした。
紙風船もそんなアイテムのひとつ。
バドミントンのように紙風船をぽんぽんと上に打てるのは小学校高学年以上の子どもで、それ以下になると力加減がわからず引っ叩いたりして、遊べるレベルにない。三歳だと渡した紙風船をすぐに潰してしまう。
それをわかったうえで撮るのだけど、親はきっとこう思うだろう。なんか思ってたんと違う……。
4年前に三歳の七五三を撮った女の子はまた着物を着る。
七歳だから一人でカメラの前に立つのも大丈夫だろうと思ったら、何かにつけてママがそばにいないと安心できぬらしい。
撮影終わって、公園のブランコで遊びたいという彼女にママはしょうがないわねえという感じで付き合う。
まだしばらくはママの手を離せそうにない彼女も三歳のときよりはやっぱり成長していて、たくましくなっているのだ。
家族みんなでかけっこをするとき、よーい、で彼女は着物の裾を思いっきりたくし上げる。
足があらわになってるのでどうしようかと一瞬迷うも直させずにそのまま撮ろう。
どん!で全力疾走してお姉ちゃんとほぼ互角の速さで走ってくる。
たぶんこれがいつもの彼女なのだろう。
このまままっぐ元気に大きくなれ。
東武鉄道伊勢崎線北千住駅 8:05 群馬県館林市まで。 ホーム係の駅員さんに外国人旅行者が列なして行き先やら何やら聞きにくる。日光行きの特急はホーム先端部分の専用スペースに停車するとか初来日の彼らにはわかるまい。
群馬県館林市城町 12:58 七歳女の子の七五三。七歳ともなれば神主さんの言うこと理解して玉串奉奠もできるし二礼二拍手一礼の作法もちゃんとできる。今はその意味とかまったく知らなくても、大人になったときにいい経験をしたのだとわかると思う。
ラーメンは粘土のような麺で人生において一番不味い。完食できず。ヨタヨタ出てきた大将は「チャーシューがないけどハムでいいか」と独り言のようにいい、お釣りを百円少なく渡してくるからあなどれない。焼酎のおばあさんからもらったビスケットのほうがおいしかった。
東京国際空港 17:24 いつものようにラウンジで仕事。入口で前に並んでいたおじさんが受付係の女性にやたらイキって文句を言い、彼女の胸の名札をたしかめるように覗き込んでいたので、キャリーケースが落ちておじさんの頭に当たりますように。