基隆(キールン)へ

今回の台湾出張では一日だけフリーな日を作った。
お金もないし、仕事も溜まっているので少しだけ好きな電車に乗って、古い港町・基隆(キールン)まで行ってきた。基隆はとくに観光地でもない、台北近郊のごく普通の町。台北駅からは各駅停車で約45分ほど。運賃は約240円である。
 
 

ホテルのある板橋(バンチャオ)から台北駅まで地下鉄(MRT)に乗る。
切符はものすごく買いやすい。日本よりも簡単である。サンフランシスコ地下鉄(BART)はぜひ見習ってほしい。

 
MRT台北駅に到着。
エスカレーターの乗り方は左側を空けるらしい。大阪と同じ。


ひっきりなしに電車がやってくる。朝のラッシュも見てみたい気がする。
 
 
台鐵の近距離用券売機。先に人数、片道・往復などのボタンを押さないとお金が入れられない。少し戸惑う。
 

基隆までの切符。

 
台北駅はすべて地下ホーム。在来線は2面4線。
日本で似たような駅としては、総武線の東京駅地下ホームだろうか。または名鉄名古屋駅。
台北行きの電車というのはなくて、台北を経由して南北へ向かう。
 

発車した列車を見送って指差し確認する駅員。全体的に日本の鉄道に似ている。


基隆行きの電車は20分間隔で出ている。車内で仕事。


向いを見れば……


おばさんが寝ている。
 

あれは…きっと「しまじろう」だ…。


基隆に到着。近代的に改装されていた。
 

駅の周辺をぐるっと歩く。それだけで十分楽しい。
日本ならすぐに取り壊されそうな古びたマンションがそこかしこに建っている。どきどきする。こういうところに住んでみたい。

 
開け放した窓から住人が見える。テレビを見ながら食べてるおじさん。
台湾人って、いつもどこかに何かを食べてる感じがする。それだけ食に恵まれているんだろう。
 
 



基隆の「駅前商店街」を歩く。
午後三時くらいなのだが、食べ物屋にはたいていお客さんがいて何か食べている。
基隆も地方都市と言えるのだろうが、見る限りイオンのようなものがない。個人商店がちゃんと商いできる環境が保たれていると思った。
 
 

商店街の歩道で大判焼き(今川焼)のようなものをせっせと作っていた二人。
一個10元(40円)。白あん(みたいなの)と粒あんのふたつを買った。
日本のものより小振りで、甘さもぐっと控えめ。素直においしいと言える。



線路をまたぐ古い歩道橋を渡る。
結婚式のロケフォトにでも使えそうなロケーションであった。
 



ひとまわりして基隆駅に戻る。
駅は再開発工事の渦中にある。
旧駅舎内はまだ暫定的に使われていた。ずっと昔は駅前がそのまま客船の桟橋だったろうと思う。港町の終着駅という風情を味わうことができなくて残念だ。
日本でも台湾でもどこでも近代化が歓迎される。古いものを残してほしい人はマイノリティなのだ。
 

板橋に戻る。楽しい小旅行だった。
車内で画像処理の続きをしなければ……。