東京地下鉄東西線浦安駅 12:52



 

 
 
梅雨の真っただ中の湿り気を帯びた日曜日である。
 
浦安に住む家族の、ごく平凡な日曜日の風景写真を撮る。きっといつでも「同じような」写真は撮れるだろう。でもそれは撮るかもしれないし撮らないかもしれない。それをフォトグラファーが撮るというのは、どういうことなのだろうか。
 
答えは出ないが考え続けたい。

 
 
昔(といっても1960年代くらいまで)は湿地帯の漁村だった浦安である。街のところどころにかつてを偲ばせる古い建物が残っていたりする。
 
ここで生まれ育ったママはそんな町の風景が好きらしい。旧江戸川の堤防に沿って歩きながら、そんな街の歴史を小さな子どもに教えているような気がする。
 
川に浮かぶ船と鉄橋を渡る電車と。それらが幼い子どもたちの原風景になるのだろう。
 
かくいう僕は、山の斜面に貼りつくように建てられた家々と、その間を縫うような細い坂道のある長崎で生まれた。そして今はとてもよく似た街並みの尾道で暮らしている。僕が幼い頃に見た風景に回帰したのかもしれない。