尾道 18:13

  
 
 
 
三軒家町の一角。
古い家が取り壊されて路地だけがたよりなく残る。跡にはマンションでも建つのだろうか。
 
昭和20年から30年代に建てられたと思われる家々は継ぐ人も買い手もつかぬ。維持費より新築したほうが安いのか。
 
時間を経て人の匂いのする街並みはあっさり消え去って、跡には無機質な建物ができるのだろう。
 
僕にとっては家の古さこそが魅力だし、その家並みの醸し出す雰囲気を求めて来る観光客もいるはずなのだが、値段がつかない古さを大事にする人はいない。
 
僕は虚ろな気持ちでそこを離れる。