山陽本線東尾道駅 11:04
ハーフバースデーで、フォトブースセットを希望されていたのでバンボを持って行ったのだが、赤ちゃんの足が太い。なかば押し込むようにして足を凹みに入れる。
体の大きな赤ちゃんだ。
誰に似たんですかねえ、とパパを見ながら言ってみたかったのだが、初めましてのお客さんだし失礼になってはいけないと思って我慢した。
パパはバスケットボールのような体の持ち主である。
芝生の庭に出て座った赤ちゃんは気持ちよさそうに春風に吹かれる。
走る電車の窓から見る風景のように、今見ている光景が瞬時に過去に流れてゆく。
赤ちゃんの成長は早い。
気がつかないうちにどんどん赤ちゃんぽさが薄れてゆく。
それをどんなにがんばって写真にしたとて、しょせんスマホの小さな画面で映し出される二次元の絵でしかない。
それの重さ、温もり、手触り、匂い、声はまったく写真に残らない。
ときどきそのことに気づいて落ち込む。
記録媒体としての写真は不十分だ。
それでも僕は撮る。
撮らなければ写真は残らないものだから。
山陽本線尾道駅 8:07 隣駅まで本日の撮影に。 車で行けばいいのに東尾道駅から30分歩く。
広島県尾道市高須町 10:36 ハーフバースデーの写真を撮る。人見知りされたけれど、それほど大泣きされなくてよかった。パパとママが初めての撮影にだいぶ緊張されていてカメラを何度もチラ見する。数をこなせばフォトグラファーの存在すらも気にならなくなるのだけど。