東海道本線草津駅 11:59
草津は江戸時代の宿場町。旧東海道と旧中山道が分岐する街だから、古い道の両側にはかろうじて古い家が残っている。
しかしそれらはどんどん取り壊されて、跡には大きなマンションが建てられる。
申し訳ない気持ちがあるのか、マンションの1階部分に瓦を使ったり、木戸風のしつらえをしたりしているのが、白々しく思えてしまう。
そういうのも、もう仕方のないことなのだ。現代の街は、歩く人のためにではなく、車が走りやすいように作られる。
早春のお宮参りに来た家族ももちろん車である。
生後2ヶ月を過ぎた赤ちゃんは見るからに重そうで、抱っこして家から歩いて来るなんて無理なことである。
風もなく祈祷も無事に済んで、家族で記念写真を撮る。
6歳の女の子をパパに抱っこしてもらって、寄った写真を撮ろうと思ったが、パパの抱っこがどうもぎこちない。
こんな感じでとお願いするも、うまくできない。何度目かでパパは「もうええわ!」と怒ってしまい、車にさっさと戻ってしまう。
残されたママは苦笑している。こんなハプニングは初めてだが、パパがいないと撮影にならぬ。
しばらくして車から出てもらって、撮影を続けた。
パパは仏頂面だが、まあ仕方がない。これも思い出のひとつになるでしょう。
しかし家族が歩いてお宮参りに来ていたら、パパは先に一人で家まで帰ってしまっていたろうか。車があってよかった。
昼ごはん。 滋賀県草津市、旧中山道沿いにある「いずみや」の中華そば。 老夫婦二人で切り盛りしている。おばあさんが調理しておじいさんが運ぶ。 使われていたレジスターがアンティークすぎて、写真を撮らせてもらった。「みなさん撮っていきます」とおばあさんが言う。