東京地下鉄丸の内線西新宿駅 15:59

 
 
 
土日連続の婚礼撮影は久しぶりだ。
 
昨日は隅田川沿いのカジュアルなカフェレストラン、今日は新宿の高級ホテル。
  
場所が違えば、接遇も変わる。
 
ゲストにトイレの場所を聞かれた僕は、昨日「あ、トイレこっちです」、今日「お化粧室はあちらの通路左手でございます」。
 
人によって変えてるのではないです。場所によって変えてるんです。
  
場所の持つ雰囲気で態度を変えるのはよろしくないかもしれないが、その場に似合う言葉遣いや振る舞い方があると思う。
 
ちゃんとしたホテルの結婚式はよく整っていて僕は好きだ。
 

  

昨年から二度延期した披露宴を三度目の正直でようやく催した。
 
大学の同級生同士、まだ二十代半ばの二人にとっては、たいへんな経験だったろうと思う。
 
これからも困難は絶えることがないけれど、楽しみも同じようにやってくるから、仲良く一緒に暮らしてほしいと願う。こんなこと書くと、なんだか自分が歳を取ったように感じてしまうな。
 
二人とも今日は朝からずいぶんと気が張っていて疲れたことでしょう。今夜は二次会もなさそうで、ゆっくりしてください。
 
結婚おめでとう。
 

 
 
乾杯の挨拶に立った新婦の叔父様が、開口一番「みなさんマスクを外してください」と呼びかける。 
 
この時世に大胆だなと思ったが、スピーチのあとは乾杯してグラスを干すわけで、「では、ご唱和を」となったときにゲストがごそごそマスクを外すのを待つよりは、よほどスマートだと感心した。
  
マスクは乾杯のときだけでなく、集合写真のときも厄介である。
 
僕はとりあえず先に並んでもらってから、いざ撮る前に、みなさま口元に手を当ててください、とやる。マスクがついていればお外しくださいと続ける。
 
マスクがあまりにも体の一部になりすぎて、つけていることを忘れている人が多過ぎるのである。