東急電鉄田園都市線用賀駅 13:28
クリスマスまであと四日。大晦日まであと十日。
まぎれもない年末なのにまったくそんな感じがしないのは、東京の紅葉がいまだに色鮮やかに残っているから。
暦は止まることなく過ぎゆくのに、季節が1ヶ月前で足踏みしているようだ。
昨年春に中学入学記念の写真を撮った少女は、一年半ですっかり子どもを卒業して大人の入口に立っている。
同い年の男子とはまったく比べ物にならない。赤ちゃんの成長と同じくらいの変化だ。なにより彼女自身が「変わりました」と言ってるくらい。
そんな成長期にあってもパパとは仲がよくてカメラの前でふざけ合う。
赤ちゃんのときから手塩に育ててきたパパの努力、いや愛情だろうな。
毎年一回会うだけのフォトグラファーにもごく自然に笑ってくれるのは、彼女の中で育まれた何かなのだろう。
ちなみに彼女の今一番欲しいものはお金。化粧品を買いたいそう。♪大人の階段のーぼるー、という歌を思い出した。
たまに考える。写真を撮るほど仲がいいのか、写真を撮るから仲がいいのか。
それはどっちだっていい。僕はただ目の前にいる人を撮るだけだ。
写真を撮る意味は、あとでその写真を見た人が見つけてくれる。
撮影を終えてから、公園の美術館でやっていた藤原新也の写真展を見た。
正直に言うと、高校生のとき図書室で「メメント・モリ」を初めて開いて見たときのような衝撃はなくて、老大家の自慢話を聞いているような写真展だなと感じたのは、僕の感性が鈍っているせいだろうか。
ひとつ一つの写真には力がこもっていて、いいなあと思う作品はいくつもあるのだけれど。
氏が遊びで描いたという絵画の展示のほうがずっと興味深かった。
世田谷美術館の藤原新也写真展を見た。「メメント・モリ」のおなじみの写真から近年の作品まで展示されていて、見ごたえがあったが、残念ながらあまり心に響かなかった。自分の感性が鈍ったせいかな。展示物は撮影OKなのだが写真集に載ってる作品をわざわざ撮る意味がわからない。
東京都世田谷区砧公園 12:17 本日の撮影も無事終わり。14歳女の子の家族写真。ちょっと笑わせすぎてしまった感もあるが、楽しんでくれたからまあいいか。彼女の今一番欲しいものはお金。化粧品を買いたいそう。♪大人の階段のーぼるー、という歌を思い出した。