尾道 15:53
寝起きのぼんやりとした意識の向こうから雨の音が聞こえてくる。
久しぶりの雨である。
年末年始の北日本は大雪だったようだが、瀬戸内は穏やかな天気が続いた。
同じ国なのになんだか不公平な気もするな。
今日から世間は通常営業になるらしい。
会社の職場で揃って神社に参拝する人たちもいるだろう。
日本らしい新年の光景である。
成人式が近づいているが、成人祝いも公的な式典なぞやらずに個々人で寺社に参拝したらいいのにと思う。七五三みたいに。
よく知らない市長さんの式辞を聞くより(聞いちゃいないと思うけど)、宮司さんに祝詞を上げてもらったほうがハレの日らしい。
同窓会みたいなイベントは楽しいと思うけどね。
そういえば、石垣島のとある小さな村の成人式に何度かお邪魔したことがある。
集落の公民館に住人が集まり、その地にゆかりのある新成人を祝うのである。
式典は二夜にわたって行われ、二日目は前日にお祝いされた新成人たちがお返しに舞踊や寸劇を演じる。
二日間で涙と笑いが入り混じり、とても印象深い成人祝いである。
今年も正月にそれが行われたことだろう。
ただ着物着て集まっておしゃべりするのもいいけど、せっかくの成人式なのだから気持ちを伝えるなにかがあってもいい。
ハレの日というのはそういう日ではなかろうか。