世羅 16:23
たまに「お酒は飲めないけど居酒屋の雰囲気は好きです!」と言ってくださる人がいる。
いやほんとにありがたいんです。酒飲みにつきあってくれるだけで嬉しい。
でも……でも、飲める飲めないの間には見えない壁が存在するような気がしている。
なんでだろうねえ。飲めない人に対してまったく悪気はないのに。
毎晩お酒を飲んでいる。
飲むより飲まないほうが体にいいのはわかっている。アルコールは少量でも体に毒なんだそうだ。
でも飲んでしまう。アル中なのかもしれないと思ったりするけど、本気のアル中はもっとすごいらしい。
さすがにもういい歳だから、無茶な飲み方をすることもなくなった。
一日で飲める量もだいたいわかっている。
なので昼間は極力お酒を飲まない。
仕事中にお酒を勧められても大概断る。
仕事を終えて夜にようやくお酒に口をつけるときの幸福感をできるだけ減らしたくないのである。
週末の東海道線や山陽線の電車では昼間からビールや酎ハイの缶を持ったおっさんがたまに乗ってていいなあと思うのだが、彼らはその日の晩酌はしないのだろうか。それとも昼も夜も飲むのだろうか。
僕が出張で持って行く旅行バッグにはいつもウィスキーが入っている。
すぐさま取り出して、一緒に飲み出したい気持ちをいつも抑えているのだけど、そんなムダな対抗心はまあどうでもいい。
やはりお酒は夜に飲もう。
今夜もおいしくいただきます。