尾道 17:48


 
 
 
この写真はうちの近くの空き家の庭先で撮っている。
二軒長屋なのだが、相当なあばら家で窓はすべて外されかろうじて屋根と柱と梁だけが残っているような家である。

いつものように石段を上がってその空き家を目指すと、なぜか複数の人影が見える。一人はフォトグラファーらしくキヤノンのカメラをマンフロットの上に乗せて家の中を撮っている。レンズの先には現代アートのような絵画があって、傍に作者なのだろうか一人の女性を囲むようにして男が数人でなにやら話しているのが見えた。
 
なにかの取材なのかそれとも展示会でもするのか。いつもの位置から尾道の町の写真を撮ると、僕は彼らと挨拶も交わさずすぐにその場を離れたが、彼らはこの空き家でなにをしているのか気になる。ちゃんと聞けばよかった。