東京都渋谷区代々木 11:24
結婚式の撮影。
新郎はエストニア出身で、今は二人でオーストラリアのパースに住んでいるという。物静かな二人であってはしゃいだりすることがない。参列したのは新婦の両親だけというこじんまりとした式であった。
二人に挨拶してさっそく指輪の写真を撮ろうとすると、彼が指輪を忘れてきたので指輪交換もしないという。彼女は若干残念そうであったが、彼は落ち着いたもので動じる気配もない。かわりに婚約指輪の写真を撮る。
式が終わると春の陽射し。境内の河津桜の蕾がふくらんでいる。暦ではすでに春である。神社の木立の向こうは車が行き交う山手通りだが、鳥の鳴く声がよく聞こえる。おめでとうを言うと二人は小さく笑う。春風駘蕩という感じがする。