東武バスウエスト川01系統喜多町 20:18

  
 
 
 
この数年来、川越の街の観光客混雑はひどくなる一方である。氷川神社方面に向かうバスはだいたい満員だし、道は渋滞してるし。
 
だから駅を出たら丸広百貨店のある商店街を抜けて氷川神社まで歩く。だいたい30分くらいで着く。道を覚えてしまえばさして遠く感じる距離ではない。
  
氷川神社に着くと夕方なのに参拝者が引きも切らない。「パワースポット」としての御利益よりも、その人気ぶりにあやかりたいくらい。
 

  
今日は神社に隣接して建つ結婚式場で二次会の撮影である。挙式と披露宴は持ち込み不可だが、二次会ならば撮影してよいらしい。
 
指定された待合せ場所に伺うと、幹事さんから僕が撮影することは新郎には内緒にしてあるという。新郎も子どもの写真を撮るフォトグラファーで、僕のことをご存知であるらしい。
   
 
 
「二次会が始まって新郎新婦が席につくまで隠れててほしいんですけど」と彼女は言う。
 
それだと入場シーンが撮れなくなる。式場からマスクを一枚いただいて、それで顔を半分隠しながら撮影することになった。マスクして撮影してる結婚式カメラマンなんて見たことない。ぶち怪しいんじゃけど。
  
パーティーが始まり、二人が入場して一礼したところで司会者さんが正体を明かし、僕はマスクを取る。新郎はびっくりしていた。
 
喜んでもらえてありがたいことです。渡辺博幸さんご結婚おめでとうございます。 
 

 
新郎は「応援団」の一員でもあった。
 
余興で応援団ならではの演舞を披露した彼らは社会人でありながら、昔ながらのバンカラ気質を漂わせる硬派集団。「弊衣破帽(へいいはぼう)」が似合いそうだ。マンガの「魁!!男塾」みたいなものです。え?知らない?
 
迫力のある演舞のあとは団長が「応援」の意義について説教するように語り、会場はそこが宴の席であるのを忘れたかのように聞き入っていた。
 
ちなみに、応援団の団員は応援するチームや人が勝っても自身が喜びを表してはいけないらしい。勝者の向こうには敗者がいて、その健闘に敬意を表するためだという。彼らの哲学には感じ入るものがあった。
  
 
新郎新婦が40代だったので、ゲストも年齢層高め。友人ゲストの写真を撮ったら「今わたしめっちゃ笑ってましたよね」と言われてもう一度撮る。いろいろ気になるお年頃ではある。