予讃線石鎚山駅 13:08











 
 
 
やや蒸し暑い朝だった。

石鎚神社に至る階段をひとつずつゆっくり上がったのだが、上りきったところでひと休みして汗を拭く。
 
 
式の前に色打掛姿で写真を撮った。

新郎はなかなか面白いキャラクターである。ゆうきまさみの「究極超人あ〜る」を彷彿とさせる。(知らない人はググってください)
 
カメラを向けても無表情のまま。照れることもない。どんな気持ちで今日の式に向かっているのだろう。ファインダーを覗きながら僕は想像する。
 
その隣で新婦は静かに微笑みを浮かべている。緊張する表情が美しい。
  
東京生まれの新婦にとって彼の生まれ育った愛媛は見知らぬ土地である。知り合いも誰もいない。それだけできっと気が張り詰めているのだろう。挙式で新婦側に座ったのは彼女の両親だけであった。
 


初夏を思わせる五月晴れの陽気の中で参進が始まり、あとはつつがなく一連の儀式を済ませて式は無事に結んだ。
 
ようやく緊張が解けたような表情を見せる新婦と、参列した親戚と歓談する新郎と。
 
二人にとって今日はどんな日になるのだろうか。写真を撮るだけの僕はそれがいい思い出になるように願ってやまない。
 
境内の新緑は深く鮮やかで、見下ろす瀬戸内海は白く霞んで広がっている。
 
結婚おめでとう。末長くお幸せに。
 


石鎚山駅のプラットホームの向こうには田んぼが広がる。まだ水は入っていない。
 
今日中に東京に着けばよいので、予讃線から瀬戸大橋線と山陽本線で新大阪まで行き、新大阪始発の「のぞみ」に乗り換えた。これでゆっくり座って東京まで行ける。
  
「のぞみ」は新大阪ではまだ席が空いていたのに、京都で満席になった。
 
世間は10連休らしい。旅行や遊びに行く人が多いだろうけど、僕は仕事です。
 
もっとも僕にとっては仕事も休みも一緒のようなものだし、毎日撮影があったらきっと幸せだろうなあ。