長崎本線東園駅 17:39





 
 
 

















一歳の誕生日記念で撮った女の子は三歳になっていて、絶賛人見知り。僕と目を合わせてくれない。
 
「慣れるまで2時間かかるんですよ」とパパが言うからそうなんでしょう。撮影の終わり頃になって、ようやく距離が縮まった。
 
 
 
紺碧の大村湾を見おろす公園には家族連れがたくさん遊びに来ていて賑やかである。
 
ママは那覇の生まれ。今日はご実家の母上が来ておられて一緒に写真を撮る。
 
女の子の誕生日の頃、沖縄の桜はとっくに終わっているけれど、いつか撮ってみたいなあ。 
 
 
 
家族写真は、家族が「写真を撮られている」状態に飽きてカメラを意識しなくなった頃がいい。
 
沖縄言葉だと「てーげー」だろうか。いい感じに力が抜けて自然な写真になる。
 
子どもだけじゃなくて大人も「慣れるまで2時間かかる」んだと思う。 
  
 
 
帰りは西浦上で降りて、スーパーで夕ごはんを買う。
  
日本の西の端の町でもコロナウイルスの影響で商店街を歩く人は少ない。
 
日が落ちて、深い海のように青く染まった空気の中、路面電車でホテルへ帰る。
  
生まれた長崎を離れて30年が過ぎてすっかりよそ者だけど、その町の住人のように旅をするのが好きなんです。