中央本線三鷹駅 13:07
清々しく晴れた朝、真新しいランドセルを背負った女の子ははにかみながらカメラの前に立つ。
それをスーツ姿のパパとママが微笑ましく見ている。ああ、今日が入学式なんだ。もう全部がキラキラしていて眩しい。
彼女は跳ね回るウサギのようにくるくる動いて笑う。
少し前に、彼女が三歳のときの写真をレタッチしていた*。年の歳月がぎゅっと縮まったように感じる。
PCモニタに映し出された写真の中で、お下げ髪の女の子は滑り台すらおっかなびっくり滑っていたのに。
写真を撮るだけで素直に彼女の成長をお祝いしたくなってくる。入学おめでとう。
新型コロナウイルスの影響で、できるかどうかさえ危ぶまれたが、東京都の小学校の入学式は予定通り行われた。ただし新入生一人につき、家族は一人しか参列できないという。
その決まりごとのために、入学式を待つ家族と学校側の間で小さなひと悶着もあった。
現場の先生達は教育委員会に、教育委員会は行政に、それぞれ振り回されてたいへんなのだろう。
同情を禁じ得ないが、ただひとつ言えるのは、責任を取ると言う人がどこにもいないということである。
日本の場合、そもそもそれを期待してはいけないということもあろうけど。