しずてつジャストライン吉田町役場 12:59


 
 
本日の撮影終了。五歳と三歳の兄弟をママの実家で。
周囲は住宅地であるが、家の前に田んぼが残り、その脇を用水路が流れている。かつてはのどかな田園風景が広がっていたことだろう。
 
子どもたちが祖父母と手をつないで水を入れていない田んぼを歩いている姿を撮っていると、自分の幼少期の頃に祖父母と写った写真を思い出す。僕の撮る写真が彼らの記憶に残る一枚になるのかどうか。おこがましい気もするが、そうなってほしいと思いながら撮る。
 
 
 
子どもたちのひいおばあちゃんとも一緒に撮影できた。大正15年のお生まれ御年91歳とのことだが、足腰しっかりしており、ひ孫を膝に抱っこするのも大丈夫。とてもお元気であった。
  
動画つきプランだったので、彼女にお嫁に来たときのことを聞いてみた。昭和19年に二十歳で結婚。現在の島田市から約15kmほどを十数人で歩いて来て祝言を挙げたそうだ。夫となる人とはその時が初対面。
「今だったら考えられんよね」と彼女の息子さんが言ったが、戦時中のその頃ではごく当たり前の結婚式であったのだろう。先日見た『この世界の片隅に』の嫁入りシーンとほぼそのまま同じである。彼女と作中の主人公とが重なった。
  
まだ戦前、戦中のおじいさんおばあさんが存命であれば、ぜひいろんな話を聞いてみてほしいと思う。そしてiPhoneでもいいので録画録音してきちんと保存してあげてほしい。取るに足らないことであっても、それは貴重な歴史の一部であるから。