山陽本線尾道駅 14:53





  
 
  
福岡へ。
  
駅前で袴姿の娘さんたちが写真を撮りあっている。
大学の卒業式があったようだ。お互いに将来の再会を言い合っている。
気がつけば4月が目の前だ。来週にはサラリーマンとして入社式に臨む人もいるだろう。多くの新人が一斉に働き始めるのは日本独特の風習か。
   
毎年4月1日の新聞に載るサントリーの広告が好きだった。今は伊集院静だが、かつては故山口瞳が新社会人に贈る文章を書いていた。余裕のある文章から「大人」を感じたものである。
僕は社会人になって20年以上が経過したが、はたしてそういう「大人」に近づけているのだろうかとふと思う。はなはだ心もとない。
僕がかろうじて「大人」であるのを実感するのは、家でウィスキーを飲むときである。山口瞳の作品にはウィスキーがよく登場していた。