高知県高知市入明町 15:01

 


 
 
結婚式の撮影。
住宅地の一角にある小さな教会であった。
 
式のあと、新婦のリクエストで教会の外で撮影する。ドレス姿の新婦を撮っている間、新郎から目を離していたら、彼はあっさりスーツ一式を脱いでしまってTシャツ短パン姿になっている。よほど暑かったらしい。まだ撮るべきカットがあったのだが、二人がよければそれでいいだろう。新婦も「わたしだけドレスで浮いちゃうじゃん」と言いながら、仕方ないなあという顔をしている。二人は結婚してすでに五年、三人の男の子のパパとママである。

機材を片付けていると、支度部屋になった教会の事務室から母上同士の会話が聞こえてきた。二人とも式をしてよかったと話している。結婚式は華美でなくてもオシャレでなくてもいい。二人で何かを誓えばそれでいい。そんな日が人生に一日だけあってもいい。
 
普段着になった二人は家に帰る。みんなで家に集まって宴会をするらしい。きっと楽しいだろう。