尾道 17:48

 
 

 
午前中にスタジオで三ヶ月の赤ちゃんを撮る。髪の毛ふさふさでヘアバンドをしなくても大丈夫なくらい。
 
パパとママに会うのは5年前に二人の結婚式を撮って以来のことで、お変わりなく元気な様子で何より。
 
パパはコロナウイルスの影響で在宅勤務になっているそうで、「(子育てが)助かります」とママが言う。この春からそういう家族も多いことだろう。コロナウイルスも悪いことばかりではないのだ。
 
30分ほど撮ったところで、赤ちゃんが眠くなったらしく、ぐずり始めて撮影終了。それでも十分撮れたと思う。
 
 
 
午後はスタジオの看板を表に出して、通常営業(といっても中でPC作業してるだけ)。
 
尾道を訪れる観光客は昨日から急に増えた。ネットニュースを見ても各地の観光スポットは混雑しているらしい。
 
うちにもお客さん来るといいなあと思いつつも、いつも誰も現れないのだが、夕方16時を過ぎ、そろそろ看板をしまおうかというときに、二人の女の子を連れた家族連れがスタジオを覗きに来た。
 
小学生になりたてくらいのお姉ちゃんは珍しそうに部屋の中を見回すが、2歳くらいの妹ちゃんはママにしがみついたまま食べかけのパンをぎゅっと握って離さない。
 
当然、カメラなぞ警戒して見てくれないのだが、こういう子でもなんとか撮ってあげたい。15分くらいの撮影を終えた頃にはいくぶん慣れた様子になってくれたので、がんばった甲斐はあったような……。
 
それにしても、真っ赤なジャケットに真っ白な帽子を合わせたパパを筆頭に、おしゃれなご家族であった。

 




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