敦賀市コミュニティバス金山線野神 12:25
つかの間に青空が見えて陽が射したかと思えば、その1分後には灰色の雲に覆われて吹雪く。
水分を含んで重たい雪は、ときおり神社の屋根からどさりと音を立てて地面に落ちる。
宮司さんが「屋根から落ちる雪にご注意ください」と印刷された紙を貼りに来た。
昨日が生まれて百日だったという赤ちゃんは見るからに重そうで、生まれたときに3600グラムあったという。抱っこがたいへんなので、祈祷の間はずっとパパの腕の中にいた。
お宮参りは子どもが生まれて初めてのイベントである。
パパとママはたぶんとても楽しみにしていたんだろうなあと撮りながら思う。実際やってみると結構たいへんなのだが。
明日は日曜日だからお食い初めをするそうだ。
子どもが生まれたからこそのハレの日。
二人はあれこれ準備して写真をたくさん撮るだろう。
子どもはパパとママにかけがえのないプレゼントを持ってきてくれる。
撮影終わって、溶けかかってシャーベット状になった歩道の雪に足を取られながら少し歩く。
敦賀の町を歩くのは初めてである。
街の中心部にある総合スーパーにはそこそこ人が入って賑わっていた。敦賀は平地が少なく市街地の規模が小さいのがよいのだろう。
商店街には面白そうなお店もいくつかあって、雪がなければもうちょっと歩いてみたかった。
すでに靴の中に雪が入り込んで足が冷たい。こんなんなら北海道の雪道のほうがずっと歩きやすい。
前を歩くおばさんが履いてるのはスノーブーツなるものなのだろうか。それ欲しいな。向こうから来たおじさんが履いてるゴム長靴でもいいけど。
瀬戸内から来た男は北陸の雪というものがまるでわかっていなかった。