尾道 16:52
黒猫運輸のサテライトが商店街の中にあるので、荷物を持ってゆく。
地方都市にあってシャッター街にならずに済んでいるのは、ここが観光地であるからだが、それでもこのご時世で通りは閑散としている。
洋服店の表の扉に「ヒマすぎるのでウラのそうじしてます!」という正直なメモ紙が貼られていて、思わず写真を撮ってしまったが、それを見る人もいない。
幸い?なことに撮影がなくても納品の仕事はたんまり残っていて、それを地道にこなすだけの日々である。
朝から同じことをやっていると昨日と今日の区別は曖昧になる。
小学生が夏休みの絵日記の真っ白なページに向かって天気のほかに何も書くことがないと呆然とするようなことが、ブログを書くためにパソコンに向かっている男にも起こるわけです。
しかし、おしなべて仕事というのはそういうものではなかろうか。
毎日遊んだ子どもが気がつけば夏休みが終わっているように、日々の作業をこなしているうちにいつの間にか季節が変わっている。
それまで過ごした日々のことなんて、まるで覚えていない。
駅前で高校生のカップルが並んでスマホを見ていて、彼氏はスマホを垂直に持っていてどうもヘンだ。通り過ぎるときに彼のスマホの画面をちらりと見たら、スマホを見ている彼女の横顔が映っている。
そういえば、今日は晴れて風が強い日だった。
尾道 18:04
明日はまた寒くなるらしい。