東京都交通局新宿線本八幡駅 11:08




 
神社の隣が小さな公園になっていて、そこにひとつあるベンチに老婦が一人ぽつんと座って冬の陽射しを浴びている。
 
撮影は9時15分からだというのに早く来てしまったパパの母上が寒さをやりすごす場所もなく居場所がないのをそのベンチに求めて、老婦に会釈して同じベンチの端に腰掛ける。
 
撮影は1時間だけど、どうしたって五歳の男の子の写真を撮るのが目的なので、おばあちゃんの出番は少ない。
 
とはいえ今日撮っておかないと、両家の祖父母が一緒に写真に収まる日はこの先いつになるやら。もしかしたら孫の結婚式までないかもしれぬ。 



五歳の男の子は三兄弟の末っ子くん。すぐに一緒に遊びはじめてよく笑う。末っ子らしく陽気に育っているように思う。
   
二人の兄とは少し歳が離れているせいで、あまり一緒に遊ぶことはないのかもしれない。
 
そのぶん僕がいい遊び相手になっているようだ。
 

 
せっかくだからおじいちゃんおばあちゃんも孫と遊んでもらおう。
 
うまく動けなくても風船を叩いて飛ばすくらいはできる。こういうときに神社の隣が公園というのは便利だ。

七五三の撮影でもなければ、孫と一緒に体を動かして遊ぶこともあまりないだろう。 

朝の静かな公園で、ひとしきり子どもと老人の歓声が上がる。



京成電鉄本線京成関屋駅 7:54 本日の撮影に。 八幡駅で降りて撮影場所の神社に向かって歩いていたら「すみません」と背後から声をかけられる。振り返ると「あの、広島の……」と言いかけるおじさんがいて、昨年手賀沼で家族写真を撮ったママの父上であった。よくわかったなあ。


千葉県市川市八幡 10:20 1件目の撮影終わり。三人兄弟の末っ子くん五歳の七五三。次男くんの七五三から三年ぶりに両家の祖父母が会うとみえて「ご無沙汰してます」などと挨拶している。今日を過ぎればまた会う機会もなかなかないだろう。親族というのは近くて遠い。

千葉県市川市八幡 10:26 京成八幡駅の狭い島式ホームを見るとわくわくする。特急もそこに停まるというのがさらに「エモい」。 他の例を挙げれば長崎本線肥前鹿島駅。

東京都交通局船堀〜東大島 11:29 本八幡から都心まで約30分。程よい距離か。