春一番は吹いたのだろうか。
最高気温18℃。季節が一気に春になった。
昼過ぎに庭先に生えてきていたシュロの木を抜く。高さが1.5メートルくらいになっていて、このまま放っておくと我が家の狭い庭は「星の王子さま」に出てくるバオバブのようになってしまいそうだった。
もっともこういう作業はミチコさんがやる。
僕は仕事の合間に見物していたのだが、いよいよ抜けないというので、ミチコさんが持ってきた鍬でシュロの根っこを断ち切る。
麻縄のようなシュロ皮の細かい繊維が舞って、日なたのような懐かしい匂いが服についた。