東海道本線新大阪駅 15:53
飾りの花の中に生後20日目の我が子を寝かせたパパとママは語彙力が崩壊して「かわいー！」を連発している。
赤ちゃんが生まれた嬉しさはたとえようもない。
主役はほぼ寝ていて、もうちょっと起きて目を開けた写真を撮りたかったが、こればかりはしかたない。
日曜日の新大阪駅の通路はまっすぐ歩けない。
なんでこんなに人が多いのかと人を避けつつ歩くが、すれ違う相手もカメラバッグ二つに撮影用の荷物を入れたビニールバッグを提げた男を邪魔なやつだと思っているに違いない。
551の店の前は人の列が折り返されて並んでおり、そんなに並んでまで豚まん食べたい人の気持ちがわからぬ。
豚まんに限らず、列に並ぶというのが苦手である。
並ぶくらいなら買わなくてもいいかと思うのは、もとよりなんのこだわりもないからだろう。
初詣の神社の賽銭箱に長い行列ができていたら、どこかの無名の小さな神社へ行って手を合わせるほうがいい。
もっとこだわったほうがいいんだろうかとたまに思う。
万事につけて深みを目指すことがない。
マニアにもオタクにもなれない僕には語れるものが何もない。
