片町線忍ケ丘駅 12:35
秋の台風からやってくる雨雲は絶え間なく雨を降らせる。
小さな傘をさして神社の参道を歩く着物姿の姉妹は、そこだけ二輪の花が咲いたように見える。
ご自宅での着付け風景から撮ってほしいというご依頼だったのに、予定時刻に伺ったらすでに何もかも終わっていて、大人も子どもも手持ち無沙汰にしているところから撮影が始まる。
それなのに、子どもたちはまったく嫌がることなく、すんなり馴染んでくれたのでほっとする。本当にありがとう。撮影のときに、子どもとの距離感はとても大事だ。
それにしても、雨は結構強かった。も少し雨脚が弱ければ、傘をさしながらの撮影もできただろうけど、残念ながらその余裕はなかった。
ママがビデオカメラを持って来ていたので、インタビューを撮る。
「大きくなったら何になりたい?」という質問に、お姉ちゃんは間髪を入れずに「ほいくしさん!」と答える。きっと今通ってる保育園が楽しいんだろうなあ。
彼女は来年から小学生だ。日常世界ががらりと変わるだろうけど大丈夫。彼女ならいろんなギャップとかハードルを乗り越えてゆくに違いない。
僕は何も手伝えないけれど、君の写真を撮ったから絶対的に応援してる。
僕には日本全国にそういう子どもがいっぱいいる。ありがたいことだと思う。