東武鉄道宇都宮線新栃木駅 12:46
こじんまりとした神社の隣は公園になっていて、週末休みの家族が遊んでいる。
公園で写真が撮れるなあとほっとする。神社の境内では騒がしくできないから、小さな子どもを撮るにはとても助かる。
もっとも五歳と三歳の姉妹は不安と緊張で、おとなしい。妹ちゃんは巾着袋の紐をぎゅっと噛み締めている。
祈祷は撮影時間内にしてもらうようにお願いしている。祈祷を済ませるまでは大人もどこか緊張しているもので、それが終わったことで、親子ともども緊張感が和らぐことがあるから。
写真を撮るというよりも、七五三の時間を家族で楽しんでもらいたい。
家族写真を撮るとき、眼鏡をかけたパパはいい感じに笑ってくれる。娘をかわいがって、家でもあまり怒らないんじゃなかろうか。写真を撮りながら、ふだんの家族の姿を想像する。
再来年はまた七歳になるお姉ちゃんの七五三がある。女の子は忙しい。2年間なんてあっという間だ。子どもが大きくなって、パパを相手にしなくなる前に、たくさん遊んでください。
>七五三の写真(料金&予約)
初めて訪れた栃木市は「蔵の街」としてアピールしたいようだが、完全に川越の後塵を拝しており観光地としては魅力不足。せめて30年前くらいから、町家などの古い建物を市が保護する姿勢を示していたら、もうちょっと状況が違ったろうと思う。
それでも、ところどころに味わい深い建物が残っていて目を引く。
個人的にはアール状の外面が美しい「理容若松」の建物が一番。ちょうど店主が店先にいたので、声をかけて写真を撮らせてもらった。「あーハイハイ」と僕のような相手には慣れた様子。昭和11年(1936年)にできたそう。
町おこしをするなら、古いものを大切にすべきである。いくら目新しいもの(ハード)を作っても、それまでに培われた歴史(ソフト)のほうが圧倒的に強い。
しかし悲しいことに、お金が注ぎ込まれるのはいつも新しいものばかりなのだ。