京阪電気鉄道京阪本線光善寺駅 16:22
柔らかい秋の陽射しが小さな神社の境内を明るく照らしている。
神社は小高い丘の中腹にあり、駐車場から階段を上らなくてはならない。数え五歳の男の子はお姉ちゃんと手をつないで一段ずつ上がってくる。
生まれたばかりの彼を産院で撮影した4年前を思い出す。子どもの成長する力というのはすごいものだ。できなかったことがひとつずつできるようになる。
かつては僕もそうだったのだろうなあ。年を取ると、できないことがひとつずつ増えてくる。
平日の午後である。参拝はその家族だけ。境内に二人の子どもたちの声が広がる。
日常の中でふと立ち止まるように着物を着て神社にお参りすると、子どもの成長を新鮮に感じられることだろう。七五三はそれを体感するための行事なのかもしれない。
撮影終わって京橋に向かう京阪電車の車内には、夕陽がまぶしく射し込んでいた。