福島交通佐原線佐倉小学校 16:06

 
 

 
飯坂温泉に向かう電車を終点のひとつ前で降りて、山あいにあるお寺へ。
 
すでに夏の陽射し。草いきれを感じつつ歩く。道沿いの畑には、赤い小粒がこぼれんばかりに成っているさくらんぼ。桃の実はまだ硬そうな緑だ。どちらも広島ではほぼ見かけない果物で、福島らしいなあと思う。
 
 
 
お宮参りの撮影は、ママの母上からの依頼だった。
 
パパとママはあまり気乗りのしなさそうな表情でカメラの前に立つ。二人ともあまりしゃべらないし笑わない。福島人というか東北の人は自分というものをあまり表に出さないから。
 
そんな二人に対しても、ハイニッコリ笑って、などとは言いたくない。
 
楽しくもないのに作られた笑顔になんの意味があろう。
 
 

パパはときおり寝ている赤ちゃんの顔に自分の耳を近づける。息をしているのか心配になるらしい。
 
彼にしてみれば真剣なのだが、その様子はやはり微笑ましい。それもいつか彼の思い出になるのかもしれない。

 

参拝終わって、赤ちゃんはママのご両親がひと晩預かり、パパとママは久しぶりに二人きりで過ごすそう。出産からずっと気を張って生活していただろうから、息抜きになるだろう。
 
というわけで、ママのご実家にお邪魔して、赤ちゃんの写真を撮る。
 
赤ちゃんはまだ一ヶ月なのにもかかわらず、撮影を始める段になるとちゃんと起きて、いろんな表情を見せてくれた。うーん、やっぱりパパとママがその場にいなかったのがちょっと残念ではある。
  
撮影終わってお家を辞したあとで、50mmレンズを忘れたことに気づいて少しどたばた。お手数おかけしてすみませんでした。