沖縄県那覇市牧志 12:38
午前中は雨雲が来ては去って晴れるの繰り返し。沖縄らしい天気である。
今日は撮影ないのでホテルにこもって2018年に撮影した写真のレタッチを進める。
昼ごはんに市場本通り商店街にある「田舎」でソーキそばを食べようと行ったが、いっぱいだったので別の店を探す。
商店街をそれた横丁に、真新しい店構えのそば屋があり、外から覗くとお客さんがいない。
知らない土地で飲食店を探すときは「混んでる店に入れ」という鉄則があるが、僕はどうも空いてる店のほうが落ち着けるから好きだ。
店の窓には「麺はかんすいを使っていません」という貼り紙もあって、どんなものなのか気になるから入ってみた。
ラジカセから沖縄民謡が流れる店内は、カウンターとテーブルが3卓。おばあさんが一人切り盛りしていた。
自家製麺とあったが麺は冷凍してあるようだ。茹でるのに時間がかかった。
ようやく出てきた沖縄そばには灰色のとろろ昆布のようなものが乗っていたが、これは鰹節。
それを溶かしたスープをひと口飲むと、「薄い!」。
いや味はあるんだけど、大半の人にとっては物足りなく感じるのではなかろうか。で、かんすいの入っていない麺は、つまりはうどんと同じであった。
沖縄そばらしくないが、これはこれでアリかもしれないな、と心の中で呟く。「優しい味」と言えなくもない。
ごちそうさまと食べ終えて店を出ると、入ろうかどうしようかと迷っているふうの観光客カップルがいた。
二人に正直な僕の感想を伝えるべきか迷ったが、この世で一番信用ならないのがグルメサイトのクチコミであるから、同じことをしても仕様が無い。他人の舌を当てにしてはならぬ。
振り返ると二人は意を結したかのような表情でその店に入って行った。
他人の評価に期待するからいけないのであって、何事も自分を信じて行動すれば後悔は少なく喜びは倍になる。
ホテルに戻ってからGoogleでその店を探してみたら、4.4の高評価でクチコミも好意的なものが多かった。ヘタなアドバイスしなくてよかったと胸を撫で下ろしたものである。