東海道本線掛川駅 10:13
尾道に帰る電車の中で今夜はどうするか決めかねている。
飲んで帰るか帰って飲むか。
まじめに電車に乗っていれば、夜7時半くらいには家に帰れる。
しかしそれではなんか面白くない。どこかで途中下車して飲みながら帰るか……
昨日の鬱々とした曇り空ではなく朝から陽射しがきつい。
しかし梅雨明けした後のあのまっさらな光ではない。
もう夏の盛りは過ぎた。暦を見たら明日はもう立秋じゃないか。
今年もあっという間に時間が過ぎてゆく。
若いときには考えもしなかったけれど、今ごろは日々無事に過ごすというのがどれほど困難で奇跡的なことかと思う。
毎日がサーカスの綱渡りのように細いロープの上を一歩一歩歩いているようなもので、なにかのはずみで落ちてしまうかもしれない。
ミチコさんに言わせればそういうところが「ビンボくさい」んだろうけど、元来そういうネガティブ思考なんだからしようがない。
僕のホームページには免責事項があって『万一不慮の事態が発生し撮影できなくなった場合、代替のカメラマンはご用意できません。』という一文を載せているのだけど、それは撮影に向かう途中で交通事故に遭って死んでしまう可能性だってゼロではないからです。
ほら、あだち充の『タッチ』で上杉和也は試合に向かう途中、交通事故で死んじゃったじゃないですか。
交通事故に限らず、一寸先は闇なんていうように、ほんまに何が起きるかわからない。
だから仏教でいうところの他力本願になる。
今年もなんとか無事に乗り切りたいなあと、青々として車窓を流れる田んぼを見ながら思っている。
とりあえず飲み過ぎないようにしないといけない。
東海道本線柏原〜近江長岡 13:35
夏の伊吹山と緑の田んぼ。あと一ヶ月もしたら稲刈り始まるだろうか。
