福塩線府中駅 13:50
生まれて13日目の赤ちゃんは、意外にも1時間以上寝ないで起きていてくれたので写真がたくさん撮れる。
一般的なニューボーンフォトは赤ちゃんを寝かしつけてから撮るのだけど、起きてる顔を自由に撮るほうが僕には合っているように思う。
ママに赤ちゃんを抱っこしてもらう。
まだ慣れてないのか、ぎこちなさがある。
赤ちゃんと同じようにママもまだ13日目なのだ。
何事も初めてというのは緊張感があって、それを写真にできるのはとても嬉しい。
ママにとって生まれてからの時間はあっという間に過ぎていることだろう。
たしかにそういう日があったのだと思い出すための、写真は記憶の小さなカプセルのようなものだ。
撮影に行くとだいたい聞かれる「ここまでどうやって来たんですか」
歩いてきたと答えるとこれまた十中八九驚かれる。
「駅まで送りますよこんな暑いのに」とママの母上が言うのだが、いつものようにありがたくお断りして家を出る。
知らない町を歩くのは苦労でもなんでもなくてふつうに楽しいのだが、なかなか理解されない。
歩きながら見える景色は、車の窓から見るよりもはるかに広く精密で飽きることがない。車に乗るなんてもったいない。
夏の眩しすぎる陽射しを浴びながら誰もいない道をてくてく歩けば、車なら10分たらずのところが駅まで30分かかる。
福塩線福山駅 10:02 府中市まで本日の撮影に。距離(23km)はたいしたことないのに時間(45分)がかかる福塩線。
広島県府中市元町 13:07 生後13日めのニューボーンフォトの撮影終わり。赤ちゃんに泣かれることなくすんなり撮影できてなにより。駅まで歩いて行くと言ったら驚かれるのだがなんでだろう。3kmくらいは徒歩圏内。