北海道標茶町中久著呂 12:11

  
 
  
  
四歳と二歳の姉妹に弟ができて三ヶ月が過ぎた。
大正時代から三代続く酪農家さんの家族写真を撮る。
 
ご自宅は久著呂(クチョロ)原野の一角にある。隣家は2〜3km先、一番近い集落は数km先である。突然現れたフォトグラファーに姉妹は最初戸惑っていたが、すぐに一緒に遊んでくれた。二人ともおかっぱ頭がかわいかった。ママは飼っている子馬と一緒の写真を撮りたかったようだが、姉妹はまったく興味を示さずあえなく断念。どこでもそうだが、親の思惑通りにコトが運ぶことはほとんどない。
 
撮影終えて機材を片付けていると、ママからお正月に親族集まった席での撮影の相談を受ける。このような相談は今までにも何度かあった。お受けしたいところだが、正月元旦は尾道の家でお酒を飲むことに決めている。
正月でも一般的な写真スタジオなら店を開けて、家族写真や成人式前撮りなど仕事をするだろう。わかってはいるのだが、出張写真家はお休みだ。どうかご容赦いただきたい。