富良野線中富良野駅 13:49



  
 
 
 
福島から来た五歳女の子の家族写真。
ラベンダー畑で写真を撮る。冬はスキー場になる斜面だから、かなり急である。その坂を彼女は駆け下りる。僕は追いかける。
なかなか活発な女の子である。
撮影終了と同じくして、本格的に雨が降り始めた。
 
雨の駅で列車を待つ人たちはほとんど外国人旅行者ばかりで日本人はわずか。
JRのおじさん職員が必死の英語で説明している。ホームの乗車位置を指差しながら「アサヒカワ、トレインエントランス!」と叫ぶ。わかったようなわからぬような顔をして外国人達は列を作る。スマートではないが、なんとかなるものである。
  
車両も運転士の人数も限られているから臨時列車を増やすのは難しいだろう。
短い二両編成の列車は大きなスーツケースを持ち込む人たちで都会の満員電車のような混雑になっている。ローカル線の風情をのんびり楽しむどころではない。有名観光地の宿命かもしれぬが、この時期の富良野線に乗るには覚悟が必要だ。