相鉄バス旭11系統境 14:43
丘の上にある公園を強い風が吹き抜ける。早咲きの桜の下で花見をする人たちがいる。
早めに着いて家族を待っていたら、通りがかったおばあさんから三ツ矢サイダーのペットボトルを差し出されて、ボトルのキャップを開けてほしいと頼まれる。
弟くんがまだママのお腹にいた夏に撮影したときも、今日と同じように強い風が吹いていた。それから4年が過ぎた。
お姉ちゃんはランドセルを背負っているし、弟くんは幼稚園の制服を着ている。
いつもの日々は慌ただしく過ぎる。子どもはいつの間にか大きくなる。誰かが撮影した写真を見てそれに気がつくのかもしれない。
今朝は早めにホテルを出られたので、駅から公園まで歩いた。途中で味のある仕舞屋を見つける。看板にはかすれた文字で「酒 たばこ 燃料」よろず屋である。見れば見るほどに古びていてとてもよい。バスに乗ってしまうとこういう発見がない。
撮影終わって駅に戻るバスに乗ろうと待っていたが、やってきたバスはすでに満員であった。
バスを待っていた中学生4人組が顔を見合わせてから、ためらいがちに乗り込む。両肩に大きなカメラバッグを提げている僕は乗るのをやめた。次のバスは30分後。歩いた方が早い。