鹿児島本線博多駅 19:45

 
 

 
雨に濡れた服を気にしつつ小倉へ向かう。
 
 

ホテルにチェックインしてから、夜ごはんを買いに出かけた。
 
ホテルの向かいにチェーンの弁当屋があった。これ幸いとそこに入って注文すると、奥の厨房でおばさんスタッフが「ちょっと待っててねー!今一人でやってるから!」と声を張り上げる。
  
 
夜遅いからワンオペなのか、たいへんだなあと思いながら出来上がった温かい弁当を受け取ると、どうやら僕が今日最後の客だったらしい。おばさんは「唐揚げ一個余ってたから入れといた」という。 
 
お礼を言うと、彼女は「朝の仕込みからずっと一人でやってるのよー」とレジを操作しながら言うのでさすがに驚いた。
 
「ほら、コロナでしょ、ベトナムの人がいたんだけど、帰っちゃって戻ってこないのよ」「オーナーが週6で入って、腰痛めちゃって」「きついんだけどあたしがやんなきゃ、回らないから」次々と悲壮なセリフを聞かされる。
 
彼女だっていつか限界が来て、体壊しちゃうんじゃなかろうか。僕はがんばってくださいと頭を下げて店を出た。なんだか弁当を買った感じがしないぞ。