北大阪急行電鉄南北線千里中央駅 11:09
朝9時過ぎの公園には、早くも花見客が繰り出してブルーシートを広げている。
天気のよい土曜日だからさもありなんというところだが、写真はやっぱり撮りづらい。
五歳の女の子はやっぱり緊張している。
一緒に遊んでくれるのだが、どこかぎこちなさが残る。
二、三歳の頃は写真を撮られているのもわからず無邪気に遊んでいたものだが、それは彼女が成長したということなのだ。
今はパパとママにくっついて遊んでいるものの、あと数年もすれば親と遊ぶこともなくなるだろう。
そう思えば、幼少時の時間は儚いほどに短い。
公園ではどうしても背景に他人が写り込んでしまうので、そこを出て遊歩道に移動した。
枝ぶりの低い桜の木があって、こちらのほうが撮りやすい。
春の陽射しに照らされて、白く明るくなった空気の中で彼女は困ったように笑う。
このままでいてほしいと思いながら時が過ぎて、子どもは大きくなってゆく。
今しか見られない笑顔を撮る。